韓国電子通信研究院(ETRI)は9月8日、陸軍士官学校と国防AI分野で業務協約(MOU)を締結したと発表した。AIグラス「AI-イングラス」の関連技術を中心に共同研究を進めるほか、軍の運用概念の策定や現場実証、試験評価でも連携する。
協約はETRI本院で締結した。ETRIによると、両機関のトップ同士によるMOU締結は今回が初めて。
両機関は、ETRIのAI・ICT技術と陸軍士官学校の軍事・戦術分野の知見を組み合わせ、これまでの個別課題ベースの協力を機関間連携へ広げる。戦闘員や小部隊の指揮統制、国防ネットワーク、有人・無人の複合システムなど、将来の国防分野で活用するAI技術を共同研究する。
協力の柱となるのが、ETRIが今年着手した個人AIエージェント向けの「AI-イングラス技術開発」だ。AI-イングラスは、眼鏡型のウェアラブル機器にAIを組み合わせ、利用者が見聞きする周辺状況をリアルタイムで把握し、必要な情報を視野内に表示する技術という。
国防分野に適用した場合、戦闘員は別端末を都度確認しなくても、周辺の危険要素や作戦情報を把握できる。指揮官は、複数の戦闘員が収集した現場情報を統合し、迅速な指揮判断に役立てられるとしている。
ETRIは今後、空間や物体を認識する「空間知能」、利用者の状況に応じて情報を提供する「個人AIエージェント」、低消費電力・高解像度ディスプレイ、ARデバイス、携帯型AI演算装置などの中核技術を開発する計画だ。
陸軍士官学校は、小部隊戦術や指揮手順に関する専門性を基に、軍の運用概念や利用者要件を整理する。教育訓練施設なども活用し、技術実証と試験評価を支援する。両機関はあわせて、AIの判断結果を検証し、人が最終意思決定を行えるようにする安全・信頼性技術の共同研究も進める。
パク・セウンETRI院長は「未来の戦闘員支援から指揮統制、国防ネットワークまで、軍の任務遂行と戦闘力向上に実質的に寄与する国防AI技術を実現していく」とコメントした。