オンチェーン分析企業Glassnodeの分析によると、プライバシーコインが過去1年の暗号資産市場で最も高いリターンを記録した。市場全体で足元の反発が広がる中でも上昇率は際立っており、Zcash(ZEC)の急騰がセクター全体を押し上げた。
ブロックチェーンメディアのCoinPostが8日(現地時間)、Glassnodeの分析内容として伝えた。直近30日では幅広いセクターに買い戻しが広がった一方、過去1年の騰落率でみると、プライバシーコインが他の主要セクターを大きく上回ったという。
Glassnodeは、ビットコインが2025年10月の高値からなお36%安の水準にあると指摘した。時価総額上位200銘柄の中央値も、同じ基準で58%安だった。
これに対し、プライバシーコインはセクター全体で約213%上昇した。DeFi、取引所関連、レイヤー1、AI、実物資産連動(RWA)、ミームコイン、レイヤー2、DePIN、ゲームといった他セクターは、いずれも10月高値を回復していないという。
直近30日でも、プライバシーコインは主要セクターの中で最も強い値動きとなった。暗号資産市場で幅広い銘柄が上昇する中、同セクターの上昇率は90%に達し、市場反発をけん引した。
時価総額上位200銘柄に含まれるプライバシーコインの時価総額は、1年前の71億ドルから足元では336億ドルに拡大した。この増加分の約半分は、直近30日で積み上がったとしている。
上昇の中心はZcashだった。Zcashは過去1年で2496%上昇し、同セクター内の他銘柄を大きく引き離した。現在はプライバシーコイン全体の時価総額の62%を占めるという。
CoinGeckoの集計では、Zcashは最近、ステーブルコインを含む時価総額ランキングで一時9位まで上昇した。
もっとも、Glassnodeはプライバシーコインの強さがZcash単独によるものではないとみている。ローンチから1年以上が経過したプライバシーコイン8銘柄は、いずれも過去1年で上昇した。
また、Zcashを除いても、時価総額加重ベースのプライバシーコインのバスケットは年初来で85%のプラスを維持しているとした。
市場全体との格差も鮮明だ。時価総額上位200銘柄のうち91.5%は直近30日で上昇したが、年初来でプラスを確保したのは25銘柄にとどまった。中央値では55%の下落となり、短期的な反発が広がっても、通年ベースでは回復が限定的であることを示している。
大型銘柄でもプライバシーコインの強さが目立つ。Glassnodeによると、時価総額上位25銘柄のうち、10月6日の価格を上回ったのはZcash、Monero(XMR)、Hyperliquid(HYPE)、WhiteBIT Coin(WBT)の4銘柄だけだった。
このうち、ZcashとMoneroの2銘柄がプライバシーコインに分類される。
一方、他セクターではDeFiの弱さも浮き彫りになった。Glassnodeは、Hyperliquidの上昇は個別要因による動きとみており、同銘柄を除くDeFi関連銘柄は年初来で46%下落していると分析した。
今回の分析は、市場の反発が幅広い銘柄に及んでいても、実際の資金流入は一部セクターに集中していることを示している。中でもプライバシーコインは、直近30日の上昇率、過去1年の累積リターン、時価総額の拡大ペースのいずれでも目立つ結果となった。