買い替えか修理かの判断では、修理費や端末価値、ソフトウェアサポート期間が重要になる。写真=Shutterstock

スマートフォンの故障時は、必ずしも新機種への買い替えが最適とは限らない。修理費が現在の端末の市場価値の3割以下で、今後1年以上使う見込みがあるなら、修理して使い続ける選択が合理的になるという。

米ITメディアのEngadgetは9月7日(現地時間)、スマホの高価格化と修理費の上昇を踏まえ、修理と買い替えを見極める際の判断軸をまとめた。

足元のスマホ市場では、フラッグシップモデルの多くが1000ドルを超える。修理費も故障箇所や機種によって、100ドル未満から数百ドルまで幅がある。このため、新機能への関心だけで買い替えを決めるのではなく、手元の端末の市場価値と修理費をあわせて見る必要があるとしている。

最も分かりやすい指標は、修理費が端末の市場価値に対してどの程度かという点だ。画面割れやバッテリー劣化では、修理費が市場価値の3割以下で、その後1年以上使う予定があるなら修理のメリットが大きい。充電ポートの不具合やカメラレンズの破損など、損傷が限定的なケースでも同様だ。

一方で、浸水のように被害が広範囲に及ぶ場合や、修理後に別の部品が追加で故障する可能性が高い場合は、修理の費用対効果が下がりやすいと指摘した。

修理後の継続利用を後押しする要因として、ソフトウェアサポート期間の長期化も挙げた。AppleのiPhoneは従来から比較的長期のソフトウェア更新を提供してきたほか、Samsung ElectronicsもGalaxy S24シリーズ以降、SシリーズとZシリーズのフラッグシップに最大7年間のソフトウェア更新を提供するとしている。ハードウェアが正常に復旧すれば、新機種に替えなくても相当期間使い続けられる計算になる。

ただ、端末そのものの性能低下が深刻な場合は、買い替えの方が現実的だ。動作の遅さが目立ち、保証期間も終了しているのであれば、買い替えを検討すべきだとしている。画面やバッテリーといった外部的な不具合を直しても、処理性能の低下や使い勝手全体まで改善するとは限らないためだ。

故障が複数箇所に及べば、修理費は膨らみやすい。特にメインボードの損傷とフレームの変形が同時に起きた場合は、修理費が新製品の価格に近づく可能性があるという。AppleCare+やSamsung Care+などの端末保護サービスに加入していれば、修理費の負担を抑えられるともした。

買い替え費用を抑える手段としては、下取りもある。ただし、破損した端末は正常品に比べて下取り価格が下がる可能性がある。販売店やメーカーによっては、特定の時期に下取り特典を上積みする場合もある。

OSを変更するなら、エコシステムの乗り換えコストも考慮が必要だ。iPhoneとAndroidは、いずれも写真や連絡先など主要データの移行ツールを用意しており、端末間の移行は以前より容易になっている。ただ、既存のアクセサリーや周辺機器が特定のOSに合わせている場合は、同じ系統の製品に買い替える方が使いやすいこともある。

最終的には、「最新機種が欲しい」という志向だけでなく、端末の市場価値、修理費、残りのソフトウェアサポート期間、現在の性能を総合的に見て判断することが重要になる。修理費が市場価値の3割以下で、今後1年以上使う予定があるなら修理が有力だ。反対に、性能低下が著しい場合や、浸水、メインボード損傷のような複合的な故障が起きている場合は、修理費に加えて将来の故障リスクも踏まえ、買い替えを優先するのが妥当だ。

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