SBI新生信託銀行とSBI VC Tradeは7日、円連動型ステーブルコイン「JPYSC」の信託財産の一部に当たる10億円について、短期国債での運用を開始したと発表した。改正資金決済法の施行を受け、信託型ステーブルコインの準備資産の運用を見直す動きが具体化した格好だ。
CoinPostが8日に報じた。JPYSCは、日本円と1対1で連動するよう設計された電子決済手段で、SBI新生信託銀行が発行し、SBI VC Tradeが取扱を通じて流通を担う。両社は、日本初の信託型円ステーブルコインと位置付けている。
今回の運用の背景には、2026年6月に施行された改正資金決済法がある。法改正により、信託型ステーブルコインの信託財産は、発行額の50%を上限として、満期3カ月以内の短期国債や定期預金でも運用できるようになった。従来は、要求払い預金を中心に管理する仕組みだった。
両社は、償還に必要な流動性を確保しながら、信用力の高い円建て資産で信託財産を運用する方針を示している。
JPYSCの流通規模も拡大している。9月7日時点の発行残高は約201億円、レンディング申請残高は約69億円で、合計では約270億円規模に達した。今回の対応は、信託型ステーブルコインの運用が制度改正に合わせて実務段階に入りつつあることを示す動きといえそうだ。
提携面でも動きが出ている。SBIホールディングスは7月、現実資産のトークン化を手がけるOndo Financeと戦略的提携を結んだと発表した。両社は、オンチェーン決済や担保手段としてのJPYSC活用を検討している。SBIホールディングスは、この提携を通じて国内外の投資家に多様で利便性の高い金融サービスを提供するとしている。
JPYSCは送金手段にとどまらず、決済や担保分野での活用拡大も視野に入る。今後は、改正資金決済法の下で信託財産の運用がどこまで広がるかに加え、オンチェーン決済や現実資産トークン化との連携が実際のサービス展開につながるかが焦点となる。