台湾のデジタル発展部と国際半導体産業協会(SEMI)は4日、「セミコン台湾2026」の半導体セキュリティフォーラムで、半導体サイバーセキュリティ標準「SEMI E187」の認証マークを公開した。10月にも台北コンピューター協会(TCA)が初の検証機関として認定される見通しで、年内にも初の認証製品が出る可能性がある。7日付の台湾メディア「IT Home」が報じた。
今回の発表により、SEMI E187は標準文書の整備段階から、実際の装置や製品を対象とした検証・認証の運用段階へ進んだ格好だ。
台湾側は、TCAが台湾認証財団(TAF)の認定を受けた初の検証機関になるとみている。認証機関の整備が進めば、SEMI E187に基づく試験・審査体制が本格的に動き出すことになる。
年末までには、初の認証マーク取得製品が登場する可能性もある。業界では、先月にSEMI E187の試験検査ラボが先行して公開されたのに続き、今回の認証マーク公表で制度運用の次の段階が具体化したとの見方が出ている。
SEMI E187は、台湾が主導してきた半導体サイバーセキュリティ標準。デジタル発展部とSEMIは今回の公開について、半導体セキュリティ標準が「標準策定から現場検証へ」移行したことを示すものだとしている。
初回認証の候補製品も見え始めた。台湾の情報産業研究所はこれに先立ち、Chii Shang Industrial、Meng Li Automation、Delta Electronics関連の装置について、自社ラボへの検査委託があったと明らかにしていた。これらの装置が、初の認証マーク取得製品となる可能性がある。
今回の動きの背景には、半導体サプライチェーン全体で装置セキュリティ要件が高まっていることがある。製造現場では、生産設備やオートメーション装置、制御ソフトウェアが密接に連携しており、装置セキュリティ水準の標準化ニーズが強まっている。
認証機関の指定と認証マークの導入が並行して進めば、装置メーカーと導入企業の双方にとって、検証基準をより明確に適用しやすくなる。
一方で、認証制度を実際に機能させるには、試験と審査のインフラ整備が欠かせないことも浮き彫りになった。台湾は先月、SEMI E187の試験検査ラボを公開し、今回は認証マークと認証機関のスケジュールを示した。
今後の焦点は、TCAが正式に認定されるかどうか、そして年末までにどの企業の製品が最初に認証マークを取得するかに移る。
半導体業界では、セキュリティ対応が個社ごとの取り組みから、標準と認証を軸とする運用へ移りつつある。今回の発表は、SEMI E187が宣言的な基準にとどまらず、実製品の検証とサプライチェーンへの適用段階に入ったことを示した。年内に初の認証事例が出れば、台湾主導の半導体セキュリティ標準の現場導入は一段と加速しそうだ。