Bitcoin採掘企業の売り圧力が足元で弱まっている。採掘業界で電力やデータセンター資産をAI・HPC事業へ振り向ける動きが広がっていることが背景にあるとみられる。
7日、U.Todayによると、上場Bitcoin採掘企業の稼働ハッシュレートは2026年上半期に約56EH/s減少し、15%低下した。Bitcoinネットワーク全体のハッシュレート低下率が同期間に約10%だったのに比べ、下げ幅が大きかった。業界では、採掘収益性の悪化に加え、電力やデータセンターをAI・HPC事業向けに転用したことが影響したとみている。
関連投資の規模も大きい。TheEnergyMagは先の分析で、上場採掘企業とAIインフラ関連企業による設備投資額を約300億ドルと推計した。分析対象となった直近14社は四半期ベースで186億ドルを投じた。さらに、HPC売上を計上する主要6社の設備投資総額は、同期間の売上高の約15倍に達したという。
こうした大型投資が進む一方、夏場には採掘者ウォレットからBitcoinの流出が活発化した。Bitcoin価格が上昇した8月には、CryptoQuantの採掘者ポジション指数(MPI)が一時2.8まで上昇した。MPIは数値が高いほど、採掘者によるコイン流出が平年より多いことを示し、潜在的な売り圧力拡大のシグナルとして使われる。
ただ、今月に入って状況は変わった。Bitfinexが引用したCryptoQuantのデータによると、MPIはマイナス1.2まで低下し、年平均を下回った。採掘者ウォレットから取引所へ移される数量も大きく減ったという。
もっとも、MPIの低下だけで採掘企業が売却を完全に止めたと断定することはできない。もっとも、足元のデータからは、夏場に比べて採掘企業によるBitcoinの供給圧力が明確に和らいでいることが読み取れる。