米連邦通信委員会(FCC)は、通信事業者による違法ロボコール対策の実績を評価する「成績表」制度の導入を検討している。規則遵守の有無だけでなく、違法ロボコールを実際にどの程度遮断できているかも評価対象に含める方針だ。
FCC消費者・政府業務局は2日、「ロボコール対策の成績表」の評価基準や表示方法に関する意見公募を開始した。Ars Technicaが報じた。表示方法としては、数値スコア、A〜F評価、低リスク・中リスク・高リスクの区分などが候補に挙がっているが、最終的な方式は決まっていない。
対象として想定されているのは、米国内で小売顧客を抱える無線、固定、インターネット電話(VoIP)の各事業者だ。卸売や中継に特化した事業者を除外する案も示された。FCCは、全事業者を一律に評価するのではなく、小売市場の大半を占める事業者を優先的に対象とするかどうかについても意見を求めている。
評価指標は、大きく「取り組み」と「結果」に分かれる。取り組み面では、迷惑電話の遮断・警告表示機能の提供、違法発信の追跡要請への対応、発信者番号認証など、事業者が講じた対策を評価する。
結果面では、違法通話の減少実績や遮断率、消費者からの苦情件数などを確認する。正当な通話を誤って遮断する割合(誤遮断率)を別枠で評価する案も検討対象となっている。
評価データの候補には、FCCと連邦取引委員会(FTC)に寄せられた消費者苦情、ロボコール対策データベース、FCCの執行措置、通信業界による違法発信の追跡資料、民間の通話分析事業者のデータなどが含まれる。一方でFCCは、苦情1件が直ちに当該通信事業者の遮断失敗を意味するわけではないと説明しており、データの信頼性や事業者規模をどう評価に反映するかも論点になるとしている。
ブレンダン・カー FCC委員長は、違法ロボコール対策はFCCにとって最優先の消費者保護課題の一つだと強調した。その上で、この成績表は消費者の通信事業者選びを後押しし、事業者間の改善競争を促す効果があるとの見方を示した。
今回の手続きは、新たな義務を課す規則制定ではない。既存の対策水準を公開し、比較可能にする仕組みの設計段階にある。