韓国政府は8月30日、AI未来企画首席にイ・ヘミン祖国革新党議員、国家AI戦略委員会副委員長にハ・ジョンウ前AI首席を起用した。ペ・ギョンフン科学技術情報通信部副首相兼長官を含め、韓国のAI政策はIT業界の現場を知る3人が担う新体制となる。
AI未来企画首席は約4カ月にわたり空席だった。今回の人事で、李在明政権が掲げる「AI3強」戦略を推進する布陣が整った形だ。
中核を担うのは、IT業界出身の3人だ。ペ副首相兼長官に加え、Google Koreaと米Google本社で15年以上プロダクトマネジャー(PM)を務めたイ・ヘミン首席、Naver出身のハ・ジョンウ副委員長が、国家AI戦略と政策運営の中枢に入る。
3人はいずれも産業の現場経験を持つ。このため、今後の政府のAI政策は、実行と成果創出を重視する方向に進むとの見方が出ている。
ペ副首相兼長官は、独自ファウンデーションモデルやGPUインフラ、国家コンピューティングセンターといった国家プロジェクトを主導する。ハ副委員長は、「AI3強」ビジョンの具体化に向けた実行戦略の策定や、省庁間の調整を担う。
イ首席は韓国教育学術情報院(KERIS)の研究員を経て、2007年にGoogle Koreaに入社した。Google Koreaと米Google本社で15年以上にわたりPMとして勤務し、本社ではシニアプロダクトマネジャーを務めた。2022年から2024年までは、データ企業OpenSurveyで最高プロダクト責任者(CPO)を担った。
こうした経歴から、AIエコシステム拡大を担う役割が期待される。イ首席は国会議員時代、グローバル市場を見据えたAIサービス開発の重要性を強調してきた。
ハ副委員長はNaver CloudでAIイノベーションセンター長を務めた人物で、李在明政権発足後の初代AI首席として、「AI3強」戦略や独自ファウンデーションモデル、AIデータセンター、K-ムーンショットプロジェクトなどに深く関わった。
実質的な司令塔となる国家AI戦略委員会では、同委員会が公表した「大韓民国AI行動計画」を具体的な成果につなげる役割を担う見通しだ。政府が進める「みんなのためのAI基本社会推進計画」の策定作業も主導する。
この行動計画は、「AI3強への飛躍」を掲げ、①AI革新エコシステムの構築②国家的なAI基盤の大転換③グローバルAI基本社会への貢献――の3つを政策の柱とする。99の実行課題と326の政策提言を盛り込んだ、政府横断の実行戦略と位置付けられている。