Acerは、キーボードを内蔵した携帯型ゲーミングPCのコンセプトモデル「Project DualPlay Mini」を公開した。携帯ゲーム機並みのサイズ感を保ちながら、キーボード操作を前提とするPCゲームにも対応できる点を打ち出している。現時点で販売計画は公表していない。
米ITメディアのThe Vergeが2日(現地時間)に報じた。Project DualPlay MiniはWindows 11ベースの構想機で、ゲームコントローラーと小型キーボードを1台にまとめた設計が最大の特徴だ。
外観はAcerの既存モデル「Predator Atlas 8」に近い。画面の左右にはアナログスティックと方向キー、Xbox風のABXYボタンを配置し、上部には左右それぞれ2つのトリガーを備える。
本体には「フリップ&スイベル」機構を採用した。筐体を開いてディスプレイを回転させると、バックライト付きのミニキーボードが現れる構造で、携帯型ゲーム機の操作性とキーボード入力の両立を狙う。
Acerはこの構成によって、従来の携帯ゲーム機では遊びにくかったキーボード主体のPCゲームにも対応範囲を広げたい考えとみられる。外出先でPCゲームを楽しみたいユーザーにとって、ゲーミングノートPCとSteam Deck系の携帯機の中間を狙う提案といえそうだ。
一方、Project DualPlay Miniは量産を前提とした製品ではない。Acerは具体的な仕様や発売時期を明らかにしておらず、あくまでコンセプトモデルとして披露した格好だ。
現時点で判明している仕様としては、Intel製チップを搭載し、Predator Atlas 8と同様のデュアルファン冷却機構を採用する。冷却システムは金属製ファンとプラスチック製ファンで構成され、金属製ファンのブレードは従来より薄型化したという。
接続端子は背面にUSB-Cを2基搭載し、このうち1基はThunderboltに対応する。外部ディスプレイに接続できることから、ゲーム用途に加えて簡単な作業用デバイスとしての活用も想定しているとみられる。
もっとも、約8インチの画面だけで本格的な業務用途をまかなうのは難しいとの見方もある。外部モニターと組み合わせれば、旅行時のサブPCのような使い方は考えられる。
今回のコンセプトは、単にキーボードを追加しただけではない。Acerは携帯型ゲーミングPCの用途を、キーボード操作が必要なPCゲームや簡単なPC作業へと広げる方向性を示した。
Steam Deckに近い携帯性を維持しつつ、キーボード入力を必要とするゲームにも対応できれば、既存の携帯ゲーム機との差別化要因になる可能性がある。
AcerはIFA期間中に、Predator Atlas 8の新たな7インチモデルも披露する予定だ。Project DualPlay Miniも、こうした携帯型ゲーミングPC戦略の延長線上にあるコンセプトと位置付けられる。
今後の焦点は、Acerがこの構想を実製品に発展させるかどうかだ。キーボードとゲームコントローラー、Windows 11環境を携帯ゲーム機サイズに収めた設計が、市場でどこまで競争力を持てるかが注目される。