企業によるビットコイン(BTC)保有拡大の動きが再び強まっている。日本、フランス、英国、シンガポールの企業が今週、保有拡大に動き、一部ではアルトコインを売却してBTC中心の戦略へ切り替える動きも出てきた。ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが2日(現地時間)、報じた。
なかでも動きが目立つのが、東京証券取引所上場のRemixpointだ。エネルギー・技術事業を手がける同社は2日、開示資料を通じ、前日に保有していたアルトコインを全て売却し、今後は保有資産をBTCに一本化すると明らかにした。
Remixpointは1日、Ethereumを901.45枚、Solanaを1万3920枚、XRPを119万枚、Dogecoinを280万枚売却した。売却額は合計8億7880万円。
簿価約7億6100万円に対し、売却益は1億1780万円だった。Dogecoinでは330万円の損失を計上したが、そのほかの資産は利益を確保したという。
同社はポートフォリオ見直しの理由について、市場環境や各資産のリスク特性、自社の財務戦略を総合的に勘案したと説明した。保有残高は約1506BTCで、時価評価額は約1億1530万ドル(約173億円)に上るとしている。
また、保有BTCの貸し出しによる収益も計上した。2月24日から8月31日までに手数料として14.92BTCを受け取り、その評価額は約1億6420万円だった。一方、同日の東京株式市場で同社株は5%安で取引を終えた。
フランスでは、Capital Bが資金調達に踏み切った。同社は旧社名をThe Blockchain Groupとし、2日に760万ユーロの私募増資を実施した。引受先はBlockstreamの最高経営責任者(CEO)で、BTCの初期開発者として知られるアダム・バック氏が全量を引き受けた。
アダム・バック氏は1株0.58ユーロで1318万株を取得した。前日終値比では15.4%のプレミアムとなる。
Capital Bは、調達資金の大半をBTCの追加購入に充てる方針を示した。今回の調達資金と既存の運転資金を合わせ、約376BTCを追加取得できると試算している。
これが実現すれば、8月中旬時点で3145BTCだった保有量は3521BTCに増える見通しだ。さらに、1株当たり4個の新株予約権が付与されており、全て行使された場合は4940万ユーロを追加調達できるとしている。
資本構成にも変化が生じる可能性がある。アダム・バック氏の普通株保有比率は今回の発行後に17.77%へ上昇し、新株予約権が全て株式に転換された場合には27.8%まで高まる可能性がある。
英国では、Smarter Web CompanyがBTCを35枚追加購入した。保有量は2747BTCに増え、上場企業のBTC保有ランキングで29位に浮上した。
同社はブリストルを拠点とするウェブサービス企業で、2020年以降、一度に大量購入するのではなく、小口での買い増しを続けてきたという。
シンガポールのGenius Groupは、より大規模な再参入を準備している。8月27日に5年間で12億ドル(約1800億円)の資本計画を公表し、このうち8億2700万ドル(約1240億5000万円)をBTCに配分した。2026年10~12月期からBTC購入を再開する予定だ。
同社は今年初め、850万ドル(約12億7500万円)の債務返済のため、残っていたBTCを全て売却した。このため、現在のバランスシート上の保有BTCはゼロとなっている。優先株発行による初期調達額も1250万ドル(約18億7500万円)にとどまり、大規模購入に向けては追加資金の確保が必要になるという。
大口保有企業による買い増しも続いている。米ダラスの資産運用会社Striveは直近1週間で約1800BTCを追加し、保有量は計2万3156BTCとなった。四半期では2億5760万ドル(約386億4000万円)の損失を計上したものの、BTC保有量ではBullishを上回り、上場企業ベースで5位に浮上した。
足元では、企業のBTC戦略は単なる新規購入にとどまらない。Remixpointのようにアルトコインを手放してBTCに一本化する例が出ているほか、Capital Bのように外部資金を活用して保有量を積み増す動きも広がっている。今後は、企業財務におけるBTC保有の位置付けと、それを支える資金調達手法が焦点となりそうだ。