写真=Hana Bank

Hana Bankは3日、基金型退職年金の導入議論を見据え、昨年に豪州と英国の年金市場を現地調査したと発表した。退職年金基金や資産運用会社などを訪問し、ガバナンスや資産運用、加入者管理の仕組みを確認したという。

調査先は豪州が10機関、英国が6基金。基金型退職年金の制度導入に備え、海外の運営事例をもとに対応力の強化を進める狙いがある。

政府は、従来の契約型退職年金と基金型制度を併存させる方向で、金融機関開放型や連合型、公的機関開放型など、複数の導入案を検討している。

Hana Bankが豪州で注目したのは、長期分散投資の枠組みと運用実績の管理手法だ。豪州では退職年金を長期積立資産として位置付け、株式や債券に加え、不動産、インフラなどにも分散投資している。

また、豪州健全性規制庁(APRA)は「Performance Test」を通じて基金ごとの運用実績を評価し、成績不振の基金には改善要求や新規加入の制限などの措置を講じている。

英国では、契約型と基金型が併存しながら競争する市場構造と、独立した基金ガバナンスの仕組みを確認した。複数の事業所が1つの基金に参加する「Master Trust」では、独立したトラスティ理事会が運営と主要な意思決定を担っている。

加えて、投資成果だけでなく、費用やサービス水準も含めて総合的に評価する「Value for Money(VfM)」の枠組みも運用されているという。

Hana Bankは、現地調査で得た内容をHana Financial Groupのグループ会社と共有し、基金型退職年金の導入に必要な能力や対応方針を議論する協議体を運営している。長期資産運用、独立ガバナンス、専門運用体制、成果評価、加入者管理などを国内制度にどう反映させるかを検討している。

こうした海外事例は、既存の退職年金事業にも反映している。Hana Bankは、ロボアドバイザーによる一任運用サービスや、専門家ポートフォリオを提供する「Hana MP購読サービス」などを運営している。

年金専門相談センター「年金The Dreamラウンジ」の地方展開も進めている。成績不振のデフォルトオプション商品の見直しを行うなど、運用後の管理体制も強化した。

Hana Bankの関係者は、「豪州と英国はいずれも、加入者の老後資産を長期で積み立て、専門的に管理するため、制度と運用体制を継続的に補完してきた点が共通していた」としたうえで、「国内の基金型退職年金の導入方針に合わせ、必要な能力を先回りして整えていく計画だ」と述べた。

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