Coinbaseは9月2日、カナダで暗号資産デリバティブ取引サービスを開始した。対象は適格投資家で、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)に連動する先物を提供する。最大10倍のレバレッジに対応し、純金融資産500万ドル(約7億5000万円)以上などの利用要件を設ける。
ブロックチェーンメディアのCointelegraphによると、対象となる投資家は、BTC、ETH、SOLなどに連動する無期限先物と期限付き先物を取引できるようになった。
Coinbaseは、暗号資産の無期限・期限付き先物23種類のほか、商品先物5種類、Coinbase 50指数関連商品を提供する。取引は、米商品先物取引委員会(CFTC)に登録された先物仲介業者、Coinbase Financial Marketsを通じて行う。
Coinbase Financial Marketsはカナダで、外国ディーラーおよび先物仲介業者に適用される例外規定に基づいて事業を展開する。
利用対象は、純金融資産500万ドル以上を保有する顧客や、登録投資助言会社、登録ディーラーなどの適格カナダ顧客に限る。契約はナノ単位の小口取引に対応する設計で、最大10倍のレバレッジを利用できる。
Coinbaseがカナダでデリバティブ市場に参入した背景には、同国で暗号資産の利用が広がっていることがある。オンタリオ証券委員会(OSC)の調査では、カナダにおける暗号資産の保有率は2023年の10%から今年は25%へ上昇した。
こうした成長を受け、米国の取引プラットフォーム各社もカナダ事業を拡大している。米オンライン証券のWebullは、カナダの顧客向けに暗号資産取引サービスを広げた。取引とカストディにはCoinbaseのインフラを活用し、既存の株式、上場投資信託(ETF)、オプションにデジタル資産を加えた。
Robinhoodも6月、カナダの暗号資産企業WonderFiを1億8000万ドル(約270億円)で買収し、現地市場に参入した。これにより、カナダの取引所BitbuyとCoinsquareの持ち分を取得したほか、約30万人の資金預かり顧客、WonderFiの現地ライセンス、規制当局の承認も引き継いだ。
一方、カナダでは一部の暗号資産流通チャネルへの規制強化も進む。カナダ政府は4月、詐欺やマネーロンダリングへの懸念を理由に、暗号資産ATMの禁止を提案した。
議会では、政党や候補者への暗号資産による寄付を禁じる法案も進められている。
カナダ市場では、制度に沿った暗号資産商品の拡充と、一部の流通・資金フローに対する規制強化が同時進行している。Coinbaseの今回のサービス開始は、一般投資家ではなく、資産要件を満たす適格投資家の需要を取り込む動きといえそうだ。