Berkshire HathawayがAlphabet株の保有を積み増し、AI関連投資を強化している。Googleを傘下に持つAlphabetの成長を直接取り込む一方、Berkshire Hathaway Energyを通じてデータセンター向けの電力需要拡大も収益機会として狙う構図だ。
米メディアCryptopolitanが2日(現地時間)に報じたところによると、Berkshire Hathawayの最高経営責任者(CEO)グレッグ・エイベル氏は、AlphabetをAI分野の重要企業と位置付け、買い増しの理由を説明した。
Berkshire Hathawayが6月末時点で保有していたAlphabet株は約1億600万株。評価額は約378億ドルで、保有銘柄ではApple、American Expressに次ぐ規模となる。
エイベル氏は、Alphabetへの投資理由として2点を挙げた。1点目は、Googleを擁するAlphabet自体がAI普及の恩恵を受けること。2点目は、Berkshire Hathaway Energyがデータセンター向けに電力を供給することで、AIインフラ拡大の波及効果を取り込めることだ。
今回の買い増しは、約3カ月前の追加取得の流れを引き継ぐものでもある。エイベル氏は、自身とウォーレン・バフェット氏が、Alphabet株を約100億ドル追加購入する判断を承認したと明らかにし、自らのAlphabetに対する評価が投資判断につながったと説明した。
直近の取得は、前回の購入時よりも約6.5%低い株価水準で実行したという。
Alphabet株への投資は当初、バフェット氏が主導した。バフェット氏は2025年第3四半期にAlphabet株を初めて購入し、7月のFortuneとのインタビューで、当初の投資判断は自身によるものだったと認めた。一方、直近の買い増しについてはエイベル氏が主導し、その執行は自身の承認を経たと説明している。
バフェット氏のAlphabetに対する見方も変化している。7月のCNBCとのインタビューでは、GoogleがAI競争で勝ち残る可能性が高いとの見方を示した。大手テクノロジー企業がデータセンターや半導体に巨額投資を進めていることが、Alphabetへの投資判断を見直すきっかけになったとしている。
もっとも、バフェット氏はAI投資競争の重さにも言及した。競争激化を背景に、大手クラウド事業者がAI関連支出を増やし続けているとみている。
AlphabetもAI関連支出を約1850億ドル規模へ、ほぼ倍増させている。バフェット氏は、この規模の投資はスンダー・ピチャイCEOが眠れなくなるほどの金額だと表現した。
Berkshire HathawayがAI分野を捉えるもう1つの軸が電力事業だ。エイベル氏は、Berkshire Hathaway Energyの主要基盤があるアイオワ州で、昨年はデータセンター顧客が電力需要全体の約8%を占めたと推計している。
Berkshire Hathaway Energyは米国事業ベースで、稼働中または建設中の純発電容量3万2400メガワット(MW)を保有する。電源構成は風力、ガス、石炭、太陽光、水力、原子力、地熱と幅広い。
同社は、データセンター拡大に伴う電力需要の増加に対応するため、エネルギーインフラ投資も拡大する。Berkshire Hathaway Energyは2026年までに、発電、蓄電、送電網の拡充に約335億ドルを投じる計画だ。
AI向けデータセンターの増設が進むほど、安定した電力供給と送電網の確保は重要になる。Berkshire Hathawayは、こうした関連投資を通じてAI産業の成長を間接的にも取り込もうとしている。
ただ、エイベル氏はデータセンター事業者との電力取引について条件も示した。データセンター向け供給契約によって他の電力利用者の料金が上昇してはならず、可能であれば全体の電気料金は引き下げるべきだとの立場だ。
Alphabetへの投資は、Berkshire Hathawayの巨額の手元資金の運用先という意味でも注目される。6月30日時点の現金性資産は約3647億ドル。Alphabet株の保有額378億ドルは、その約10.4%に相当する。
Berkshire HathawayはAI産業を、単なるテクノロジー株への投資対象としては見ていない。Alphabet株の買い増しでAIの成長を直接取り込みつつ、データセンターに不可欠な電力とインフラを担う事業でも恩恵を狙う。AI競争が半導体やソフトウェアにとどまらず、データセンターや送電網へ広がるなか、同社の投資戦略は技術と電力の両面を押さえる動きとして注目を集めそうだ。