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ビットコインは8月の急騰後、7万7000ドル台でもみ合いが続いており、市場では急落リスクへの警戒が強まっている。足元の値動きについては、急騰後の横ばいを経て元の価格帯まで急速に押し戻される、いわゆる「バート・シンプソン」パターンに発展する可能性を指摘する声も出ている。

ブロックチェーン関連メディアのDecryptが2日付で伝えたところによると、ビットコインは先月19日の約6万4420ドルから25日の約8万700ドルまで、6日間で約25%上昇した。その後は上昇分の一部を失い、足元では約7万7470ドル近辺で方向感に乏しい展開となっている。

市場で再び注目されている「バート・シンプソン」パターンは、公式なテクニカル指標ではなく、チャート形状を指す俗称だ。価格が一方向に急変した後、しばらく狭いレンジで推移し、その後に起点近くまで急速に戻す値動きをいう。

現在のビットコイン相場に当てはめれば、8月の上昇分の大半を短時間で吐き出すような急落が起きた場合に、このパターンが成立することになる。単なる調整や緩やかな下落では、典型的な形とは言いにくい。

もっとも、短期のテクニカル指標だけを見る限り、直ちに急落を示唆するシグナルはまだ明確ではない。4時間足ベースの相対力指数(RSI)は44.8と弱含みではあるものの、急落局面でみられるような過売り水準には達していない。トレンドの強弱を示すADXも22前後にとどまり、明確な方向感が出ているとは言い難い。

一方で、ボラティリティの低下は警戒材料だ。スクイーズ・モメンタム指標は弱気シグナルとモメンタムの鈍化を示しており、大きな値動きが出る可能性を示唆している。ただ、現時点では上方向か下方向かの判断はなお難しい。

下方向に動けば「バート・シンプソン」型への警戒が強まる一方、上値抵抗線を明確に突破すれば、従来の上昇トレンドが維持される可能性もある。50期間の指数移動平均線が200期間線を上回っており、中長期の上昇基調そのものは崩れていない。

市場参加者が最も注視しているのは7万5800ドルの水準だ。ビットコインがこのラインを下回れば、弱気シナリオが本格化する可能性がある。逆に維持できれば、足元の急落懸念はひとまず後退しそうだ。

典型的な「バート・シンプソン」パターンが出現するには、通常の売り圧力を超えるショックが必要とされる。代表例としては、レバレッジポジションの連鎖清算によって短時間に相場が崩れるケースが挙げられる。ビットコインは過去にも連鎖清算をきっかけに急落した局面があったが、少なくとも現時点の4時間足では、その兆候はまだ鮮明ではない。

9月の季節性も弱材料として意識されている。ビットコインは2013年以降、直近13回の9月のうち8回で月間下落となり、平均リターンはマイナス2.97%だった。市場ではこうした傾向を「レッド・セプテンバー」と呼ぶ。

加えて、今月は米連邦準備制度理事会(Fed)の政策金利決定も控える。15〜16日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、CME FedWatchでは利上げ確率がおよそ64%織り込まれている。

資金フローも重しとなっている。ビットコイン現物ETFからは1日に約2億3600万ドルが流出した。さらに、米国とイランの新たな衝突を受けてホルムズ海峡周辺の緊張が高まり、国際原油価格は1バレル=90ドル台前半に上昇した。原油高がインフレ圧力を強め、金利上昇につながれば、リスク資産であるビットコインの下押し要因になり得る。

ただ、現状がそのままフラッシュクラッシュにつながると断定するのは難しい。急落ではなく、時間をかけた調整局面に移行する可能性もある。8月高値の約8万626ドルから引ける下落トレンドラインを基準にすれば、数時間で崩れるのではなく、約8週間かけて6万2000ドル台まで段階的に下げるシナリオも想定されるという。

いずれのケースでも下落幅は大きくなり得るが、相場の進み方は大きく異なる。1つはレバレッジ清算を伴う短時間の急落、もう1つは長期にわたる緩やかな調整だ。

当面の焦点は明確だ。ビットコインが7万5800ドルを維持して上昇基調を保つのか、それとも9月特有の弱さや金利要因を背景に下落基調を強めるのか。現時点でチャートは強弱材料が交錯しており、市場は急落の有無を断定する段階にはなく、下振れリスクを慎重に見極めようとしている。

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