TetherのUSDT 写真=Shutterstock

Tetherのステーブルコイン「USDT」がStellarネットワークで利用可能になった。USDT0を通じて約1800億ドル(約27兆円)規模のUSDT流動性にアクセスできるようになり、Stellarが進める決済、RWA、機関向けインフラ強化の取り組みを後押しする。

ブロックチェーンメディアのU.Todayが2日(現地時間)に伝えた。これによりStellarは、Tetherの大規模なステーブルコイン流動性を取り込む形となる。接続には、LayerZeroのOFT相互運用標準が用いられている。

Stellarはもともと、デジタル資産の移転やクロスボーダー決済を主な用途として設計されたブロックチェーンだ。今回のUSDT対応は、決済を軸にエコシステムを拡大する同社の方向性に沿う動きといえる。

Stellarは足元で、ステーブルコイン、トークン化された実物資産(RWA)、機関向けインフラを重点領域に据えている。今年に入ってから関連施策を相次いで拡大しており、6月にはMoneyGramがStellarベースの米ドル連動型ステーブルコイン「MGUSD」を立ち上げた。

Stellar上ではすでに、CircleのUSDCやFranklin TempletonのBENJIなど、複数のステーブルコインや資産発行プロジェクトが展開している。ここにUSDTが加わることで、決済、送金、資産発行をまたぐ流動性基盤の強化が見込まれる。

ネットワーク指標もこうした流れを裏付ける。Stellarは、2026年1〜3月期のステーブルコイン決済額が55億ドル(約8250億円)となり、前年同期比72%増だったと公表した。さらに、同四半期末時点でネットワーク上のトークン化RWA残高が20億ドル(約3000億円)を超えたとしている。

USDT0の特徴は、Stellar利用者が他の接続先ネットワークと同じUSDT流動性にアクセスできる点にある。Stellarは、この仕組みによって取引所やウォレット、各種サービス事業者に対するネットワークの訴求力が高まるとみている。初期対応する事業者にはKraken、Freighter、Lobstr、Bitget、Fireblocks、Ramp Network、SushiSwapが含まれる。

Tetherは中南米、アフリカ、アジア太平洋の一部新興市場で強い存在感を持つ。これらの地域では、貯蓄、送金、米ドル建て決済の手段としてステーブルコインの採用が急速に広がっている。StellarがUSDT流動性を直接取り込んだことは、決済特化型ブロックチェーンとしての拡張戦略とも重なる。

今回の対応は、Stellarの決済・資産トークン化戦略にTetherの大規模流動性が加わる点で意味が大きい。既存のステーブルコインや資産発行プロジェクトが集積するネットワークにUSDTへのアクセス性が加わることで、活用範囲はさらに広がりそうだ。

Stellarは今回の展開について、「世界で最も利用されているステーブルコインが、その移転に特化して構築されたネットワークに加わった。TetherのUSDT0がStellarで稼働を開始した」としている。

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