StrategyのPhong Le CEO。ビットコイン売却と再購入はいずれも当時の資金調達環境に照らして妥当だったと説明した(写真=Shutterstock)

Strategyが、6万ドル台で売却したビットコインを8万ドル台で買い戻したことについて、同社のPhong Le CEOは、いずれも当時の資金調達環境と財務戦略に基づく合理的な判断だったとの認識を示した。

Bloomberg Cryptoなど海外メディアが2日(現地時間)に報じたインタビューで、Le CEOは、同社のビットコイン売買は価格見通しではなく、バランスシートの状況や資金調達コストを踏まえて決めていると説明した。

Le CEOは「当時はSTRCの配当財源を確保する局面であり、ビットコイン売却が妥当な取引だった」とした上で、「足元ではプレミアムの付いたMSTRを売却し、その資金でビットコインを買うことが妥当だ」と述べた。

Strategyは6月末から8月中旬にかけて、4回に分けて6916BTCを売却した。加重平均売却価格は約6万2200ドル。その後、8月24日から30日にかけて4603BTCを総額3億6970万ドルで取得し、平均購入価格は8万318ドルだった。購入資金はMSTR株の売却で賄った。

今回の買い増しにより、同社のビットコイン保有量は84万5050BTCに増加した。累計取得額は約637億3000万ドル、平均取得価格は7万5412ドルとなる。

結果だけ見れば安値で売って高値で買い戻した形に映るが、Le CEOは判断基準が価格そのものではないと強調した。「当社はビットコイン価格自体を基準に判断していない」と述べ、「過去2カ月は購入を見送り、その間にバランスシートを強化した」と語った。

同社は約10週間にわたりビットコインの購入を停止する一方で、財務体質の改善を進めた。Le CEOによれば、純負債は約70億ドルからゼロまで圧縮し、ドル建て準備金も約70億ドルまで積み上げた。こうした財務改善を背景に、その後はMSTR株を発行してビットコインを再取得できたとしている。

一方で、MSTR株の取引環境が不利な局面では、ビットコインの一部売却によって財務上の支払いに対応する方が合理的だとも説明した。同期間に同社はMSTR株の売却で6億280万ドルの純収入を確保。このうち3億6970万ドルをビットコイン購入に、1億5180万ドルをSTRC優先株の買い戻しに、5070万ドルをSTRCの配当支払いに充てた。

Strategyは今年に入り、「絶対に売却しない」との姿勢を示してきたが、足元では方針の変化もうかがえる。ビットコインの純買い越し方針は維持しつつも、資金調達条件次第では売却も選択肢に含める双方向の資本管理戦略を打ち出している。

Le CEOは「双方向の戦略だ。ビットコインを売ることが妥当な時期もある」と述べ、今回売却した数量は保有全体の1%未満にとどまると説明した。今年のビットコイン保有量は25〜30%増えたともしており、ビットコインに加え、普通株や優先株まで機動的に売買できる枠組みが、事業会社としての資本管理に適しているとの見方を示した。

STRCは、Strategyが発行する変動金利型の永久優先株。Strategyは、STRCが長期的に99〜100ドル近辺で推移するよう管理する資本政策を採っており、市場環境や流動性、ビットコイン価格、資本構成などを総合的に勘案して配当率と資本配分を決めている。

今回の一連のビットコイン売買は、単純な相場見通しに基づくものというより、資金調達コストやバランスシート、優先株配当の負担を踏まえた資本管理戦略の一環といえる。Strategyは引き続きビットコインの純買い越し企業である一方、今後は市場価格に加え、MSTR株のプレミアムや資金調達環境も見極めながら売買を判断する構えだ。

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