写真=Shutterstock

AIの普及を背景に、セキュリティ業界でM&Aが相次いでいる。米Wall Street Journalは2日、投資会社Thoma Bravo傘下のProofpointが、サイバーセキュリティ企業Varonis Systemsの買収に向けて最終交渉を進めていると報じた。これとは別に、Palo Alto Networksは同日、ITヘルプデスク業務を自動化するスタートアップConsoleを5億ドルで買収したことが明らかになった。

WSJが関係者の話として伝えたところによると、Varonis Systemsの時価総額は約50億ドル(約7500億円)。買収交渉が報じられた後、同社株は2日午後に10%超上昇し、時価総額は約54億ドル(約8100億円)に膨らんだ。

一方で、WSJは交渉がまとまらない可能性や、他の買い手が浮上する可能性もあると伝えている。

Varonis Systemsは、クラウド環境に保存された企業データの保護・管理サービスを手がける。この1年で株価は約2割下落していた。Bloombergは6月、同社が売却を含む複数の選択肢を検討していると報じていた。

Proofpointはメールセキュリティを主力としながら、これまでに10社超のセキュリティ企業を買収し、事業領域を広げてきた。APT(高度持続的脅威)対策、セキュリティ意識向上のための教育・訓練、クラウドセキュリティ、コンプライアンス対応のアーカイブ、DLP(情報漏えい防止)、デジタルリスク保護などが対象だ。

親会社のThoma Bravoは、テクノロジー企業への投資で知られるプライベートエクイティ。2021年にProofpointを買収した。AI普及を巡る投資家の警戒感がある中でも、マネージングパートナーのオーランド・ブラボ氏はソフトウェア業界に強気の見方を繰り返し示し、投資先企業は「圧倒的な成果を出している」と述べてきたという。

Palo Alto NetworksによるConsole買収も、AIを軸とした事業強化の一環とみられる。TechCrunchが2日伝えたところによると、買収額は5億ドル(約750億円)で、現金と株式で支払われた。

Consoleは、AIエージェントを使ってITヘルプデスクの定型業務を自動化する技術を提供してきた。パスワードのリセットや、Figma、Miroなどのアプリへのアクセス権付与、反復的なトラブル対応を、人手を介さず処理できるという。

Palo Alto NetworksはConsoleの技術を、自社のセキュリティプラットフォーム「Cortex」に統合する計画だ。CortexはAIを活用して脅威を自動検知し、封じ込めるプラットフォーム。Consoleのエージェント機能が加わることで、セキュリティチームは自然言語でアラートを調査し、対応できるようになるとしている。ニケシュ・アローラCEOは、ConsoleによってCortexに企業全体の自律型セキュリティ運用を実装する実行力が加わると説明した。

今回の取引は、Palo Alto Networksにとって今年7件目の買収となる。同社は最近、オブザーバビリティプラットフォームのChronosphereを33億5000万ドル(約5025億円)相当で、Koiを4億ドル(約600億円)でそれぞれ買収している。

キーワード

#AI #サイバーセキュリティ #M&A #Proofpoint #Palo Alto Networks #Varonis Systems #Console #Cortex
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.