画像=Qualcomm

Qualcommは9月2日、次世代プレミアムプラットフォーム向け「Adreno」GPUのアーキテクチャ改良と、AIベースのレンダリング技術「Adreno Neural Fusion」を発表した。AdrenoにAI演算専用コアを搭載するのは初めて。性能と電力効率の両面を高め、同社は過去最大級の世代間向上になるとアピールしている。

新型Adrenoは、3スライス構成を維持したうえで、各スライスの動作周波数を250MHz引き上げた。あわせて、GPUに直接搭載する専用メモリ「Adreno High Performance Memory(HPM)」を18MB追加した。

HPMは、メモリを演算ブロックの近傍に配置することで、外部DDRメモリへのアクセス回数を削減する。レンダーターゲットやデプス・カラーバッファ、前段で生成されるテクスチャ、中間演算結果などをこの領域に保持する。これにより、タイル単位のレンダリングやフレームバッファ処理、各種演算をグラフィックスサブシステム内で完結できる構成だという。

同社は、このアーキテクチャによって12%の改善を確認したと説明した。GPUの具体的な性能指標については、今月開催する「Snapdragon Summit」で公表する予定だ。

データの行き来が減ることで遅延の短縮につながり、消費電力も抑えられる。長時間のゲームプレイでも性能を維持しやすくなるとしている。

HPMとあわせて搭載するのが、AI専用コア「Adreno Matrix Core」だ。グラフィックスパイプライン内でAIモデルを直接実行できるよう設計されており、AdrenoでのMatrix Core搭載は今回が初めてとなる。

これにより、Matrix演算の加速はNPUやCPUに加え、GPUにも広がる。プラットフォームの主要な演算エンジン全体でAI処理を担える構成となり、ニューラルワークロードをグラフィックスパイプラインの外へオフロードする必要がなくなる。開発者は、より複雑なレンダリングモデルを低遅延かつ低消費電力で動作させられるという。

「Adreno Neural Fusion」は、このMatrix Coreを基盤に動作する。ニューラルプロセッシング、低解像度で描画した映像を高解像度化するスーパー解像、フレーム生成を単一のグラフィックスパイプラインに統合した。消費電力を抑えながら高フレームレートの維持を狙うほか、高性能状態を維持できる時間の延長にもつなげるとしている。

モバイル向けアップスケーリング技術ではこれまで、画質が劣化しやすく、細部の揺らぎや高速移動する物体の残像が課題とされてきた。ネイティブレンダリングに比べ、画面がぼやけて見える点も指摘されていた。

Qualcommは、Neural Fusionによってこうした画質劣化を抑え、ディテール保持とフレーム安定性を改善したと説明している。

ゲームエンジンへの対応も進めた。「Unity」と「Unreal Engine」に統合し、開発者が追加実装なしで適用できるようにした。Qualcommは、主要ゲームエンジンでサポートされる初のAIスーパー解像技術だとしている。

年内にも商用化が始まる見通し。対応ゲームタイトルは、今月22〜24日に開催する「Snapdragon Summit」で公開する予定だ。

キーワード

#Qualcomm #Adreno #GPU #AI #モバイル #AIレンダリング #Unity #Unreal Engine
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.