8月に過去最高の上昇率を記録したKOSDAQが、9月は制度改編を巡る不透明感に直面している。機関投資家の資金流入を促す狙いの市場区分再編は導入が遅れており、一方で上場廃止基準は厳格化された。成長企業にとって逆風となりかねないとの見方が、相場の先行きを左右する材料となっている。
2日のKOSDAQは前日比17.27ポイント(2.10%)安の803.98で取引を終えた。韓国取引所によると、指数は7月31日の719.76から8月31日には834.29まで上昇し、8月の月間上昇率は15.91%に達した。
1996年の市場開設以来、8月としては最高の上昇率だった。ただ、1日平均売買代金は5兆9581億ウォンにとどまり、5月の15兆5700億ウォンの38.3%だった。年初来では最低水準だった。
市場の関心は、政府のKOSDAQ活性化策が不足する流動性をどこまで補えるかに移っている。政府は3月に公表した「資本市場体質改善方案」で、KOSDAQを、昇降格を伴う市場区分に再編し、優良企業群を対象とした指数や上場投資信託(ETF)を開発する方針を示した。
公表時には、上位区分の仮称として「プレミアム」が提示された。その後の議論では、KOSDAQ上場企業を、優良・代表企業中心の「セレクト」、一般の成長企業中心の「スタンダード」、上場廃止懸念企業などを含む「管理群」に分ける案が示されている。
時価総額や業績に加え、質的な競争力も定期的に評価し、企業を昇格・降格させる仕組みだ。上位セグメントをもとに別途指数やETFを設定し、機関投資家マネーの呼び込みにつなげる構想となっている。
制度が定着すれば、KOSDAQの優良企業にまとめて投資できる商品が増え、機関投資家の投資基盤が広がる可能性がある。個人投資家中心で値動きの大きい市場というKOSDAQのイメージを和らげる効果も期待される。企業側にとっても、上位セグメント入りや残留を目指して、業績やガバナンスの改善を促す材料になり得る。
ただ、評価基準の妥当性や、セグメント間での資金流入格差を懸念する声は強い。ベンチャー業界では、時価総額や売上高、営業利益といった財務指標を重視しすぎれば、研究開発期間の長いバイオ企業や人工知能(AI)関連企業が不利になるとの見方が出ている。
上位セグメントと、それに連動するETFに資金が集中した場合、スタンダードや管理群に属する企業は株価や資金調達環境が一段と悪化しかねないとの指摘もある。
こうした声を受け、制度導入の日程も後ろ倒しになっている。韓国取引所は当初、7月1日のKOSDAQ市場開設30周年行事で再編の方向性を公表する計画だったが、業界の意見集約を理由に延期した。その後、8月の公聴会開催と9~10月の詳細案公表が見込まれていたものの、8月末までに公聴会は開かれなかった。
韓国取引所が10月6~7日に開く「KOSDAQデー」で導入方針を説明する案を検討しているとされるが、公表の有無や詳細基準はなお固まっていない。
もう一つの焦点が、上場廃止基準の厳格化だ。7月1日から、株価が30営業日連続で1000ウォン未満、または時価総額が30営業日連続でKOSPIは300億ウォン、KOSDAQは200億ウォンを下回った場合、管理銘柄に指定する規定が施行された。管理銘柄に指定された後、90営業日以内に当該基準を45営業日連続で上回れなければ、最終的に上場廃止となる。
8月14日時点で、低位株や時価総額基準未達を理由に管理銘柄指定を開示した銘柄は39銘柄だった。同月10~15日には、管理銘柄指定の懸念があるとして8銘柄が追加開示された。
規定上は、早ければ10月21日から実際の上場廃止事例が出る可能性がある。2027年1月1日からは時価総額基準も引き上げられ、KOSPIは500億ウォン、KOSDAQは300億ウォンとなる。
企業は上場廃止リスクを避けるため、株式併合や減資に動いている。業界によると、上場廃止制度の改革案が公表された2月12日から、初の管理銘柄指定が出た8月12日までに、韓国株式市場で進められた株式併合は276件に上った。
このうちKOSDAQは219件を占めた。ただ、株式併合は発行株式数や額面を調整する措置にとどまり、時価総額や企業価値そのものを押し上げるわけではないため、抜本策にはなりにくい。
株価や時価総額だけで上場維持の可否を判断すれば、実際には利益を出している企業まで対象になりかねないとの指摘も出ている。イ・オクウォン金融委員長は先月24日、国会政務委員会で「微調整すべき部分を検討する」と述べた。一方で、政策の信頼性を踏まえれば全面的な見直しは難しいとの認識も示した。
結局のところ、KOSDAQの一段高には、優良企業への機関投資家資金の流入を促しつつ、成長企業が短期的な業績や株価だけで不利益を被らないような評価基準の設計が欠かせない。
不良企業の迅速な退出という政策目標を維持しながらも、研究開発型企業の成長段階や財務状況を適切に見極められる補完策が必要だという指摘だ。
金融投資業界の関係者は「KOSDAQはKOSPIと異なり、単なる投資対象ではなく、未来産業を育てる市場だという観点からアプローチする必要がある」と話した。