写真=ChatGPT

中国のショートドラマ市場で、生成AIの活用が急速に広がっている。Douyinでは人気作品の多くをAI生成作品が占め、制作期間は数カ月から1〜2日へと大幅に短縮された。一方で、俳優や制作スタッフの仕事が減るなど、雇用への影響も表面化している。

日本メディア「Gigazine」が31日付で報じたところによると、中国のマーケティング分析会社DataEyeの集計では、2026年5月のDouyinのアニメ・ドラマ上位100作品のうち89作品がAI生成だった。ByteDanceが動画生成モデル「Seedance 2.5」などを投入し、動画生成技術の高度化を進めたことも、市場拡大を後押ししている。

中国ネットキャスティングサービス協会によれば、2026年第1四半期に中国で公開されたショートドラマは約12万8000本に達し、前年の年間規模の3倍を超えた。このうち95%以上は、カメラや実写俳優を使わずAIで生成された作品だったという。

制作効率の改善幅も大きい。清華大学メタバース研究所長のシェン・ヤン氏は、「2024年当時は3〜5分のドラマ1本を作るのに5人で約3カ月かかっていたが、生成AIを使えば1人で1〜2日あれば制作できる」と説明した。シェン氏が参加するAIアニメ企業Jilinは、5月の1カ月間だけで1分程度のエピソードを約8000本公開し、制作費も従来手法の約10%に抑えたとしている。

湖北省武漢のコンテンツ制作会社Mangheも、AIドラマの制作費を実写作品の約3分の1に、制作期間を5分の1程度に短縮した。一方、現場では俳優が出演機会や報酬の減少を訴えている。北京で活動する俳優兼プロデューサーのグレッグ・ウォルナー氏は、「ByteDanceが3月にSeedance 2.0を公開して以降、制作のデジタル化が急速に進んだ」とした上で、「周囲の同業者の多くが業界を離れた」と語った。

AIが俳優の顔や声を複製する動きも出ている。ある児童教育番組の出演者は、自身の顔と声を使ったAI複製の制作に同意するか、別の俳優に交代するかの選択を迫られたと明かした。最終的には、「5年契約」「1年分の給与」「利用拒否権」を条件に合意したという。

中国の短編ドラマ産業は約69万人を直接雇用しており、ライブ配信を主な職業とする人も約1500万人に上るとされる。AIは制作コストを大幅に引き下げる一方で、俳優や制作者、ライブコマースの配信者の雇用だけでなく、肖像権や音声権にも影響を及ぼす新たな労働問題へと広がっている。

キーワード

#中国 #ショートドラマ #Douyin #ByteDance #生成AI #動画生成AI #雇用影響
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.