韓国音楽著作権協会は26日、AI活用音楽の著作物申告・登録ルールの改定案を撤回すると発表した。写真=韓国音楽著作権協会

生成AI音楽の利用が急速に広がる中、韓国で著作権認定の基準整備が再び足踏みした。韓国音楽著作権協会は、独自に整備したAI活用音楽の登録・管理基準と信託契約約款の改定案を撤回し、新規登録を当面保留する方針だ。登録、流通、使用料分配を巡る不透明感は当面続く見通しとなった。

関係者によると、同協会は最近開いた第8回理事会で、AI活用音楽に関する「音楽著作物申告・登録に関する規定」と関連書式の改定事項、さらに「著作権信託契約約款」の改定案を撤回することを決めた。

背景には、生成AIが音楽制作の現場に急速に浸透していることがある。楽曲全体をAIで生成するサービスに加え、作詞、作曲、編曲、ミキシング、マスタリングなど制作工程の一部でAIを使うケースが増加。AIを利用したという理由だけで著作物登録を一律に制限するのが難しくなっていた。

これを受け、同協会は先月の第7回理事会で、人間が「実質的かつ主導的」に創作へ関与したAI活用音楽について、信託登録を認める基準を整備した。

創作者には、AIを使った工程やツール、活用方法に加え、人間が直接担った創作内容の申告を求める内容だった。必要に応じて、協会が創作過程を技術的に確認したり、内部審査を行ったりできる根拠も盛り込んでいた。

一方で、人間の実質的な創作関与がなく、プロンプト入力だけで生成された、いわゆる「ワンクリック音源」は信託登録の対象外とした。

虚偽申告や不正申告に対する制裁強化も打ち出していた。AI活用著作物に関する確認・保証義務を設け、問題が確認された場合は著作権使用料の徴収・分配を留保するほか、信託契約の解除、使用料の返還、違約罰を適用できるよう、信託契約約款の改定も準備していた。

ただ、国会文化体育観光委員会所属のキム・ジェウォン議員(祖国革新党)と韓国文化体育観光部が見直しを求め、関連規定は撤回された。AI音楽の著作物性や権利認定の範囲については、個別の信託管理団体が先行して決めるのではなく、政府、国会、音楽業界が参加する公開討論と社会的合意を経るべきだとの趣旨だ。協会は、新たな管理体系が整うまで新規登録を保留する方針としている。

◆民間ルール撤回、代替制度は未整備

現行の著作権法は、著作物を「人間の思想または感情を表現した創作物」と定義しており、AI自体の著作者性は認めていない。ただ、AI活用の成果物でも、人間が創作的に寄与した部分は保護対象となり得る一方、どの程度の関与が著作権の発生する創作に当たるのか、詳細な基準はなお整っていない。

韓国著作権委員会が昨年公表した「生成型人工知能活用著作物の著作権登録ガイド」でも、AI活用著作物を登録する際には、AIプログラムやプロンプト、AIアウトプットの役割、人間が直接創作した部分を区分して示すよう案内している。ただ、それを音楽産業の登録、分配、精算にどう適用するかは依然として不明確だ。

キョンヒ大学アートフュージョンデザイン大学院のチェ・ジウン教授は、「AI活用著作物を人間が作った著作物と完全に同一に扱うのは難しい」と指摘。その上で、「現行制度の枠内で管理するのであれば、職務著作物のように権利帰属や保護期間に差を設ける方法も参考にしながら、AIの活用度合いに応じた別基準を整備する必要がある」と述べた。

◆海外では管理団体が独自基準を運用

海外では、音楽著作権の信託・管理団体がAI活用音楽に関する独自の登録基準を運用している。米ASCAP、BMI、カナダのSOCANはいずれも、人間の創作的寄与があるAI活用音楽は登録対象とする一方、実質的な人間の関与がない100%AI生成物は対象外としている。

基本的な考え方は、韓国音楽著作権協会が進めていた基準と近い。BMIも、AIで伴奏や和声構造を作成した後に、人が歌詞やメロディー、編曲に関与した場合は登録を認める一方、単純なプロンプト入力だけで完成した音楽は受け付けていない。人間による創作という法的原則の下、実際の登録と分配を担う管理団体が詳細基準を設ける方式だ。

これに対し、韓国ではこうした詳細基準がいったん消えたことで、生成AI音楽事業者の不確実性が高まるとの懸念が出ている。

業界関係者は「規制基準が不明確だと、契約のたびに法務面の検討が必要になり、関連コストも膨らむ」とした上で、「むしろ信託団体が明確な基準を設け、既存の枠組みの中で管理する方が、事業者としては柔軟に対応しやすい」と話した。

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