ポーランドでは石炭火力の比率が低下している一方、安定供給に向けた設備容量はなお維持されている(写真=Shutterstock)

ポーランドで石炭火力への依存が急速に低下している。再生可能エネルギーの拡大を受け、総発電量に占める石炭比率は4年間で約20ポイント下がった。ただ、電力系統の安定運用に向け、石炭火力を予備電源として維持する構図はなお残る。

30日付のCleanTechnicaによると、ポーランドの総発電量に占める石炭比率は2021年の72.5%から2025年には52.7%へ低下した。これに対し、再生可能エネルギーの比率は31.4%まで上昇した。昨年は5カ月にわたって石炭比率が50%を下回り、6月には月間ベースで再生可能エネルギーの発電量が初めて石炭を上回った。

もっとも、石炭減少分のすべてを再生可能エネルギーが代替したわけではない。天然ガス火力の増加も目立つ。2025年の発電量は、ガス火力が24.4TWh、陸上風力が23.8TWh、太陽光が20.3TWhだった。脱炭素化は、石炭火力から再生可能エネルギーへの単純な置き換えではなく、再生可能エネルギーとガス火力が並行して増える形で進んでいる。

より大きな課題は発電量そのものより設備容量にある。風力や太陽光の出力が落ち込み、電力需要が急増する時間帯に備えるには、即応可能な電源が欠かせない。このため、採算性が低下した石炭火力も、供給力を支える予備電源として維持されている。

実際、2025年9月に実施された2026年受け渡し分を対象とする容量市場の補充オークションでは、7.58GWが契約された。欧州連合(EU)の例外規定により、1MWh当たりの二酸化炭素排出量が550kgを超える発電所も参加できた。同様のオークションは2027年と2028年にも予定されており、この例外規定は2028年末で終了する。

再生可能エネルギーの拡大に伴い、送電網の制約も強まっている。ポーランドでは2025年、再生可能エネルギーによる発電の1.4TWhが出力抑制の対象となり、2024年の2倍に達した。送電網の増強に加え、蓄電池、国際連系線、デマンドレスポンス、地域暖房、電気自動車のスマート充電など、時間帯ごとに需給を調整できる手段の整備が必要だとの指摘が出ている。

新規電源の導入も進む。ポーランド初の洋上風力発電所「Baltic Power」は7月、初めて系統への送電を開始した。完成時の設備容量は約1.2GW、年間発電量は約4TWhを見込み、現在のポーランドの電力需要の約3%を賄う見通しだ。

CleanTechnicaが引用した予測では、ポーランドの再生可能エネルギー発電は2028年に年間ベースで石炭を上回り、2030年には総発電量の約53%まで拡大する可能性がある。次の課題は、石炭火力の発電量を減らすだけでなく、石炭に依存せず電力網を安定運用できる仕組みの構築にある。

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