XRP(写真=Shutterstock)

XRPの現物上場投資信託(ETF)市場が拡大している。ただ、単一ファンドベースで運用資産(AUM)が10億ドル(約1500億円)を超えた商品は、なお出ていない。Bitwiseのハンター・ホスリー最高経営責任者(CEO)がこの点を改めて指摘した。

ブロックチェーンメディアのU.Todayが8月30日(現地時間)に報じたところによると、BitwiseのSolanaステーキングETF「BSOL」は設定から10カ月でAUMが10億ドルを突破した。一方、XRPの現物ETFは同水準に届いていない。

きっかけは、Solana現物ETFの成長ペースを巡る議論だ。BSOLはETFの枠組みでステーキング収益を取り込み、年5.8%前後の利回りを提供することで資金を集めたという。

これを受け、ホスリー氏はX(旧Twitter)への投稿でBSOLの実績に言及し、AUMが10億ドルを超えた暗号資産の現物ETFは、これまでビットコイン、イーサリアム、Solanaに限られると述べた。

この発言に対し、XRPが含まれていないのは偏りではないかとの指摘も上がったが、ホスリー氏は「偏っているわけではない。10億ドルのXRP ETFはまだない」と反論した。市場全体の規模ではなく、単一ファンドのAUMが論点だとの認識を示した格好だ。

XRP現物ETFが同じペースで拡大しにくい背景には、商品設計上の違いがある。Solanaと異なり、XRP Ledgerにはネイティブのステーキング機能がない。

XRPは当初から全量発行済みの設計で、ブロックチェーン自体がステーキング報酬向けの新規トークンを生み出す仕組みを持たない。このため、XRP現物ETFは基本的に現物需要に依存する構造だという。

代替策としては、XRPL上の貸出プロトコルが挙げられる。ただ、この機能は現在もバリデーター投票の段階にあり、現時点でETFの商品設計に反映されているわけではない。

その結果、足元のXRP現物ETFへの資金流入は、純粋な現物投資需要に左右されている。

それでも需要自体は小さくない。Sosovalueによると、XRP現物ETFの純資産総額は14億4000万ドル(約2160億円)、累計流入額は16億6000万ドル(約2490億円)に達している。市場全体では一定の資金を集めている一方、利回りを付与する仕組みを欠くことが、単一ファンドの大型化を制約している可能性がある。

個別では、BitwiseのXRP現物ETFが市場をリードしている。市場シェアは44%、AUMは6億3203万ドル(約948億円)。これにFranklin Templetonの「XRPZ」が4億1139万ドル(約617億円)、Canaryの「WAXRP」が2億3436万ドル(約352億円)で続く。

残る資金は21SharesとGrayscaleの商品に分散している。

機関投資家の資金流入も続いている。直近の13F開示では、米国の機関投資家による暗号資産ETFの組み入れ拡大が確認された。

もっとも、Bitwiseの単一XRPファンドがAUM10億ドルに到達するには、なお約3億6800万ドル(約552億円)の上積みが必要だ。

ホスリー氏の発言は、数字を巡る議論に区切りを付けると同時に、XRP現物ETFの課題も浮き彫りにした。Solanaの事例は、現物エクスポージャーだけを提供する商品より、ステーキング型商品の方が成長しやすい可能性を示している。

XRP現物ETFが単一ファンドで10億ドルを超えられるかどうかは、今後も長期投資マネーの流入がどこまで続くかが焦点となりそうだ。

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