ビットコインが8万ドルを割り込み、7万8000ドル台に下落した。市場では、7万7000ドル台のサポートを維持できるかどうかが、週明けの短期的な方向感を左右するポイントとして意識されている。
CryptoSlateが29日に伝えたところによると、足元の相場は7万7000ドルのサポートラインと8万ドルのレジスタンスラインに挟まれ、方向感を探る展開となっている。
7万7000ドルを明確に下抜けた場合、次の下値メドとして7万5000ドル台半ばが意識される。一方で、8万ドルを回復できれば、28日に付けた8万1300ドルの再試しを経て、8万2000〜8万3000ドルのレンジに向かう可能性がある。
今回の下落は、28日に8万1000ドル突破を試しながら上抜けに失敗した後に起きた。ケビン・ウォシュ氏のジャクソンホールでの発言を受け、市場が織り込む9月利上げ確率は約40%から55%に上昇した。ウォシュ氏は、インフレが目標水準に戻らない限り、米連邦準備制度理事会(Fed)にはなお対応余地があるとの認識を示した。これを受け、いったん回復していた8万ドルは再び上値抵抗線として意識されるようになった。
週末の需給環境にも変化があった。Deribitでは29日、約8万1700BTC相当のビットコインオプションが満期を迎え、想定元本は約64億4000万ドルだった。プット・コールレシオは0.83で、コールの建玉は7万5000ドルと8万ドルに集中していた。
ビットコイン現物ETFを通じた資金流入も、週末はいったん途切れた。現物ETFは27日まで9営業日連続で純流入を記録し、この間の流入額は約30億ドルに達した。ただ、ETFの設定・償還は米国株式市場が開いている平日に限られるため、週末は直近の上昇を支えてきた主要な買い需要がいったん止まった格好となった。
一方、機関投資家が参加するデリバティブ市場では週末も取引が続いた。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)は5月末以降、週次のメンテナンス時間を除き、実質的に通年で取引できる体制に移行している。これにより、機関投資家は従来のように日曜夕方の取引再開を待たず、週末の値動きに対応しやすくなった。現物ETF経由の資金流入が止まる一方、先物市場は開いていたことが、週末の需給を左右したとの見方が出ている。
上値シナリオでは、まず8万ドルを回復できるかが焦点となる。この水準を安定的に上回れば、市場は28日のタカ派的なショックを買いが吸収したと受け止める可能性がある。その場合、8万1300ドルを再び試し、オプションのポジショニングとテクニカル上の抵抗が重なる8万2000〜8万3000ドルのゾーンを目指す余地が広がる。
下値シナリオでは、7万7000ドルを維持できるかがポイントとなる。28日の安値は7万7078ドル近辺で形成された。この水準を割り込み、下方での推移が続けば、週初に8万ドル突破を追った買いが後退する可能性がある。
さらに7万5000ドル近辺まで下げた場合、次の下値メドとして7万2000〜7万3000ドルが挙げられている。中期的なサポートゾーンとしては6万9000〜7万ドル台も意識されている。ただ、この水準まで週末のうちに下落するには、28日の金利ショックを上回る大規模な清算や追加のマクロ経済ショックが必要になるとの見方だ。
中長期の見通しは分かれている。Citiは7月、ビットコインの12カ月目標を11万2000ドルから8万2000ドルへ引き下げ、ETF流入見通しもゼロに修正した。景気後退を織り込む弱気シナリオでは5万3000ドルを想定する。一方、Bernsteinは、ビットコインが2027年半ばに15万ドルへ到達すると予測している。通貨価値の毀損が深まる強気シナリオでは50万ドルまで上昇し得るとの見方も示したが、こうした予測は足元の短期的な値動きとは時間軸が異なる。
市場の関心は、ビットコイン現物ETFの取引再開後の需給に移っている。ETFの純流入を追い風に8万ドルを回復するのか、それとも7万7000ドルのサポートを割り込んで調整が深まるのか。週明けの相場の方向感を占う局面となりそうだ。