ビットコインに批判的な立場で知られるピーター・シフ氏が、ビットコインは実物資産ではなく、金や株式、不動産と同列には論じられないとの見解を改めて示した。インフレヘッジとしての有効性も否定し、代替資産として金と銀を挙げている。
ブロックチェーンメディアのU.Todayが30日(現地時間)に報じたところによると、シフ氏は暗号資産アナリストのクインテン・フランソワ氏が示したビットコインの時価総額比較に反論した。
フランソワ氏は、金市場はビットコインの約20倍、世界の株式市場は約100倍、世界の不動産市場は250倍超の規模があると指摘した。ビットコインにはなお大きな成長余地があるとの見方を示した形だが、シフ氏はこうした比較の前提そのものに異議を唱えた。
シフ氏は「ビットコインは実物資産ではない。だからその価値は金や株式、不動産と何の関係もない」と投稿し、「なぜそれが理解できないのか」とも述べた。
批判は、ビットコインをインフレヘッジとみなす見方にも及んだ。物価上昇への備えとしてビットコインを選ぶべきだとの主張には同意できないとし、一部の投資家がそう認識していることは認めつつも、その判断は誤りだと主張した。
そのうえで、代替となる資産として金と銀を挙げた。ビットコインではなく伝統的な貴金属を選ぶべきだとし、ビットコインはデジタル資産市場における期待や選好で評価されることはあっても、インフレ局面の防衛手段とはみなせないという従来の立場を改めて示した。
価格上昇が続くなかでも、シフ氏の姿勢は変わっていない。ビットコイン上昇局面を取り逃したとの批判に対しては、「ビットコインで大金を稼げたのは事実だが、それはもう昔の話だ」と投稿した。短期的な収益機会の存在は否定しない一方、長期保有がより良い選択だったとする見方には同意しない考えを明確にした。
保有戦略そのものにも疑問を呈した。直近5年ほどを基準にすれば、ビットコインを保有しなかった方が自身には有利だったとし、保有者は売却しなかったことで資金を固定したとの見方を示した。市場で有力な強気材料の一つとされる長期保有戦略を、正面から批判した形だ。
また、ビットコインとAIを結び付ける見方にも反対した。ビットコイン支持者がAIブームに便乗して関連性を持たせようとしていると批判し、「AIはビットコインにとって追い風ではなく脅威だ」と主張した。
今回の発言は、ビットコインを金の代替資産やインフレヘッジ、さらにはAI関連の恩恵を受ける資産として位置付ける見方を、シフ氏が一貫して退けていることを改めて示した。ビットコインを伝統資産と同じ枠組みで評価できるかを巡る認識の隔たりも浮き彫りになっている。