写真=SK Innovation

SK Innovationは8月25日、電池用分離膜子会社のSKIETを吸収合併すると発表した。赤字が続くSKIETの経営不安が分離膜の供給に波及し、電池子会社SK Onの生産に影響する事態を回避する狙いがある。あわせて、管理機能の集約やコスト削減も進める。

開示資料によると、存続会社はSK Innovation、消滅会社はSKIET。合併方式は小規模合併で、合併比率は1対0.1174540とした。SKIETの普通株1株に対し、SK Innovationの普通株0.1174540株を割り当てる。

合併価額はSK Innovationが12万5862ウォン、SKIETが1万4783ウォン。取締役会決議前日の8月24日を基準に、直近1カ月と1週間の出来高加重算術平均終値に直近終値を加え、算術平均で算定した。プレミアムやディスカウントは適用していない。これに総発行株式数を反映した企業価値は、SK Innovationが21兆2773億ウォン、SKIETが1兆2090億ウォンとなる。

SK Innovationが発行する合併新株は448万1300株で、発行済み株式総数の約2.6%に当たる。最大株主SKの持ち分比率は52.09%から50.74%に低下するが、筆頭株主の地位に変わりはない。SK InnovationはすでにSKIET株式の53.35%を保有する最大株主でもある。合併期日は2027年1月1日、合併新株の上場予定日は同年1月18日。

今回の再編の背景には、SKIETの厳しい財務状況がある。2025年末の連結ベースで、資産総額は4兆3918億ウォン、負債総額は1兆7904億ウォン。同年の売上高は2618億ウォンだった一方、当期純損失は2114億ウォンに達した。

SK Innovationは開示文書で、「合併前は、消滅会社の財務不安定性が継続した場合、分離膜の供給に支障が生じ、SK Onの電池生産に影響するリスクがあった」と説明した。SKIETの収益悪化が、グループの電池事業全体に波及しかねないとの判断を示した格好だ。

一方で、合併直後の財務面ではマイナス影響が出る可能性もある。SKIETの非支配持分がSK Innovationに帰属することで、短期的には消滅会社の純損失の影響が拡大し、支配株主純利益の押し下げ要因になるという。これまでSKIETの少数株主が分担していた損失を、今後はSK Innovationの株主が負担する構図になる。

手続き面では、株主総会を開かず、取締役会決議で合併承認に代える方針だ。該当の取締役会は11月24日に開く予定。存続会社であるSK Innovationの株主には、株式買取請求権を付与しない。

焦点となるのは反対通知の動向だ。SK Innovationの発行済み株式総数の20%以上を保有する株主が、合併公告日から2週間以内に書面で反対を通知した場合、小規模合併としては進められない。反対通知の受付期間は9月9日から9月23日まで。該当した場合は、商法第522条に基づく正式な合併手続きに移行する。

SKIET側にも条件がある。合併契約書第15条によると、SKIET株主による株式買取請求権の行使額が3500億ウォンを超えた場合、両社は合意のうえで契約を解除するか、合併条件を変更できる。SKIETの合併承認は株主総会の特別決議事項で、出席議決権の3分の2以上かつ発行済み株式総数の3分の1以上の同意を得られなければ、合併が成立しない可能性がある。

今後の手続き日程も示した。債権者の異議申述期間は11月24日から12月24日まで。海外での企業結合申請については、SK Innovationがベトナムの競争当局に申請書を提出する予定という。韓国では、親子会社間の合併は公正取引法により国内の企業結合申請対象から除外される。

合併後はコスト構造の見直しを進める。別々の上場会社として運営してきたことで重複していた管理機能を統合し、管理費を削減する。研究開発や運営リソースは主力事業に集中させる方針で、SK Innovationの信用力を活用した支払利息の低減効果も見込む。

事業面では、エネルギー貯蔵装置(ESS)向け分離膜の販売拡大を打ち出した。ESSは電力を蓄え、必要時に供給する設備で、電気自動車市場の回復が遅れる間の分離膜需要を下支えする市場と位置付ける。電気自動車市場の回復とESS向け分離膜事業の拡大が同時に進めば、追加的な収益性改善につながるとしている。

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