写真=マット・ダンフィ上級副社長

Dell Technologiesのマット・ダンフィ上級副社長は25日、「Dell Technologies Forum 2026」の基調講演で、拡張可能なAIエージェントの構築にはデータサイエンス、セキュリティ、法務などの部門横断連携が不可欠だと強調した。あわせて、AIエージェントの進化は「複雑性」と「自律性」が軸になるとの見方を示した。

ダンフィ氏は「AIエージェントの構築は一部門だけでは完結しない。データサイエンスチーム、セキュリティチーム、法務チームが連携して初めて、拡張可能なエージェントを作れる」と述べた。

講演では、AIエージェントの発展段階についても整理した。最も基礎にあるのは、メール作成やデータ分析を支援する生産性エージェント。その次に、データの整備や管理を担うヘッドレスエージェントが位置付けられるとした。

さらに、サービスの引き継ぎやアカウント移管を処理するコーディネーションエージェント、顧客が商取引プラットフォームと直接やり取りする際に機能する専門エージェントが続き、全体の流れを統括するコンシェルジュエージェントが最上位に来ると説明した。

その上で、「今後1〜2年のうちに、すべての働き手が数十、数百、数千のエージェントを管理するマネジャーになる」との見通しを示した。

企業のAI導入を巡っては、依然として2つの課題があると指摘した。1つは、最も差別化された価値を生む業務が何かを定義しにくいこと。もう1つは、投資を実際の成果につなげる業務運営の変革像を描けていないことだという。

ダンフィ氏は「既存プロセスにAIを上乗せするだけでは最悪の選択になり得る」と述べ、AIインフラの面でも多くの企業が十分に対応できていないと指摘した。

Dellが実施した調査では、韓国の企業の意思決定層の72%が、自社のITインフラはAIを支える準備が整っていないと回答したという。また、3年前と同様に、データ整備が依然として最大の障害になっていると述べた。

AI投資の採算性を左右する要因として、ダンフィ氏は「トークノミクス」にも言及した。トークン消費の構造を理解しなければ、AI投資の成果は得られないとの考えを示した。

社内の営業組織を例に挙げ、「従業員の10%がトークン使用量の90%を消費している。この利用パターンが全社に広がれば、コスト構造は持続不能になる」と述べた。

また、どのモデルをどこで動かすかも、コストを左右する重要な要素だと説明した。具体例として、映像監視データから事故発生後に救急チームが到着するまでの所要時間を特定するケースを紹介した。

「何秒かかったか」という単純な問いに答えるだけでも、複数のツールやエージェントを経由し、約3億トークンを消費するという。これをクラウド上で最も安価なモデルで処理する場合と、DellのGB10機器でローカル処理する場合を比較すると、クラウドの方が10倍高かったと説明した。

さらに、「Gemini Flashモデルを使うとコストは200ドルまで跳ね上がり、GPT-5モデルではさらに高くなった」と述べた。その上で、「IT担当者は単なるシステム管理者ではなく、AIの設計者にならなければならない。ワークロードの特性を理解し、どのモデルをどこで実行するかを見極めることが中核能力になる」と語った。

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