AMDの2026年4〜6月期におけるx86クライアントCPUシェアが30.3%となり、初めて30%を超えた。PC市場が低迷する中でも、デスクトップ向けを中心に競合より出荷の落ち込みを抑え、シェアを伸ばした。
Gigazineが25日(現地時間)に報じた。これによると、プロセッサ出荷を追跡する調査会社Mercury Researchは、同四半期のAMDのx86クライアントCPUシェアを30.3%と集計した。2年前の21.1%から9.2ポイント上昇した。
クライアントCPUは、デスクトップ向けとモバイル向けプロセッサを合算した市場を指す。内訳はモバイルCPUが28.9%、デスクトップCPUが34.9%で、特にデスクトップ向けの伸びが目立った。
ただ、今回の30%突破をPC市場全体の回復とみるのは難しい。デスクトップCPU市場そのものが大きく縮小する中、AMDはIntelに比べて減少幅を小さく抑え、結果としてシェアを押し上げたとみられる。
4〜6月期のデスクトップCPU出荷量は前年同期比20%減だった。Mercury Researchは、当時のデスクトップ向けx86 CPU市場の出荷環境は厳しかったと分析している。PC価格の上昇とGPUの供給不足がデスクトップPC需要を冷やし、CPU需要にも影響したという。
高価格帯のゲーミングPC市場の鈍化も重荷となった。GPUの供給不足でPC価格が上昇し、消費者にとって購入のハードルが高まったことで、デスクトップ市場全体が縮小した。一方でAMDは競合より落ち込みを抑え、シェア上昇につなげた。
モバイル市場は相対的に底堅く推移した。4〜6月期の業界全体のモバイルCPU出荷量は前年同期比で小幅増となった。サーバー向けCPU市場も成長が続き、サーバーCPU出荷量は前年同期比20%増、前四半期比でも緩やかな増加基調を維持した。
一方、x86が中心だったPC向けCPU市場では、Armベースのプロセッサの存在感も強まっている。Mercury Researchは、4〜6月期のArmベースのクライアントCPUシェアを15.3%と推定しており、前四半期から0.9ポイント上昇した。背景には、AppleやQualcomm、MediaTekのPC市場での存在感拡大があるという。
もっとも、プロセッサ全体の出荷量は減少した。AMDのゲーム機事業の不振でSoCと組み込み製品の出荷が落ち込んだほか、デスクトップCPUの減少も全体の数量を押し下げた。
AMDのx86クライアントCPUシェアの30.3%到達は、市場全体の拡大というより、低迷するPC市場で相対的な競争力が際立った結果といえる。PC価格やGPU供給の問題が和らぎ、デスクトップ需要が回復した際に、拡大したシェアを実際の出荷増につなげられるかが今後の焦点となる。