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OpenAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)が、AIで効率化できるはずのメール整理を今も自分で続けていると明かした。AI導入の成否を左右するのはツールの性能だけでなく、利用者が従来の働き方をどこまで手放せるかだという現実が浮き彫りになった。

Business Insiderが24日(現地時間)に報じたところによると、アルトマン氏はデイビッド・センラ氏のポッドキャストに出演し、Codexを使える環境にありながらも、メールの整理はなお1通ずつ処理していると語った。

アルトマン氏は、受信トレイを眺めながら「今すぐ返すのがいちばん楽なメール」から片づけるような仕事の進め方は望ましくないと指摘した。その上で、アプリ間での情報の受け渡しやタスクリストの整理といった反復業務は、AIに積極的に任せるべきだとの考えを示した。

一方で、そうした単純作業を自分でこなす習慣を改めるのは簡単ではないとも認めた。こうした作業そのものを「仕事をしている」「生産的である」と感じる発想が深く染み付いており、効率性よりも慣れた業務スタイルが優先されやすいという。

自らの行動に非合理な面があることについても率直に語った。「こういう働き方が好きだとは言えない」とした上で、「理屈に合っているわけではないが、こうした作業にはどこか心地よさがあるのだと思う」と述べた。より優れた製品が登場すれば、AI中心の働き方への移行も一段と自然になるとの見方も示した。

今回の発言は、AIツールの能力とは別に、実際の業務への定着では利用者の習慣が重要な変数になることを示している。メールの分類や返信文の下書きは自動化できても、多くの利用者は従来のPC中心の作業とAIツールを併用する段階にとどまっている。

アルトマン氏は、こうした状況を「人々はいま二つの世界にまたがっている」と表現した。従来通り自分でメールを整理しながら、その代替となるAIも同時に試している状態を指す。

企業の現場でも、メール依存の業務を減らす取り組みは続いている。Klaviyoのアンドリュー・ビアレツキCEOは3月のインタビューで、直近24時間の重要情報を整理して渡すスクリプトを自作したと明かした。Siemensのローラント・ブッシュCEOは、1日に200通のメールを受け取る一方、未処理を100通未満に抑えていると説明。具体的な回答が必要な場合は、オフィス内を歩きながら音声入力のディクテーション機能を使うとしている。

結局のところ、AIの業務浸透を決めるのは技術的な完成度だけではない。利用者が慣れ親しんだ仕事の進め方を、どれだけ早く切り替えられるかが問われている。アルトマン氏の発言は、AI導入が進んでも、実際の業務文化の変化はそれに追いつかない可能性があることを示している。

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