AI向けデータセンターを巡り、ビッグテック各社の競争が激しくなっている。写真=Reve AI

データセンター投資を巡る市場の見方が変わりつつある。政治的な規制強化や地域住民の反発、電力制約などが重荷となるなか、これまで有望視されてきた設備・部材関連株よりも、巨額投資に耐えられるハイパースケーラーが相対的に優位になる可能性がある。米CNBCは24日(現地時間)、ジム・クレーマー氏の見解として伝えた。

クレーマー氏は、データセンター投資の大きな流れ自体は終わっていないとしつつも、今後の勝者はこれまでと異なる可能性があると指摘した。

同氏は「一世代に一度の大型投資テーマが逆風にさらされており、これまでと同じ構図ではなくなるかもしれない」と述べた。電力コストや水使用量、地域社会への負担を巡る反発が強まっており、データセンター関連株には株価面での重しになっているという。

特にペンシルベニア州とテキサス州を挙げ、両州の知事はこれまでデータセンター開発を後押ししてきたものの、足元ではより厳しい条件を求めていると説明した。

その上で同氏は、「ルール整備は可能で、地域社会への対応もできる。しかし、歯止めのない拡張は事実上終わった可能性が高い」との見方を示した。

こうした変化は、データセンター拡張ペースの先行きに不透明感をもたらしている。基礎需要は引き続き強いとしても、市場がデータセンター関連銘柄全般に高いバリュエーションを与え続けることには慎重になる可能性があるという。

クレーマー氏は、ガスタービンメーカーのGE Vernovaのほか、メモリー関連のMicron、SanDisk、Western Digital、Seagateを、こうした圧力の影響を受けやすい銘柄として挙げた。

一方で、規制強化や地域社会からの要求拡大は、Amazon、Alphabet、Microsoft、Metaには追い風となる可能性があるとみる。これらのハイパースケーラーは、厳格化する規制や補償負担に対応できる財務余力を持つ一方、投機的な性格の強い小規模なデータセンター開発会社は同じ負担に耐えにくいためだ。

同氏は「最大の受益者はこれらの企業だ」と述べ、「地域社会への補償に充てる余力があり、大規模なサーバー施設を継続して建設できる」と指摘した。開発企業の数が減れば、土地や労働力、電力の確保を巡る競争が和らぐ可能性もあるという。

その結果、ハイパースケーラーがAIインフラの拡張を続ける過程で、コスト負担を抑えやすくなる余地も生まれるとした。

もっとも、今回の政治的反発はデータセンター投資そのものを見送るべきだというシグナルではないとも強調した。ただ、より厳しい制約の下でも建設を継続できる巨大テクノロジー企業に優位性が移る可能性があるとの見方を示している。

同氏は「彼らが勝者になる。データセンター建設コストが過度に注目される局面では、むしろ不利とみられていたが、今回の政治的反発はハイパースケーラーにとって予想外の追い風になり得る」と語った。

今回の発言の要点は、データセンター投資の中心が、装置・部品や開発期待銘柄から、規制対応力と資金力を備えたビッグテックへ移る可能性があるという点にある。今後は需要の強さそのものよりも、誰がより長く、より安定的にAIインフラを増強できるかが、主要な判断材料として意識されそうだ。

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