Ethereumが足元で急伸している。だが、主要な市場指標をみる限り、暗号資産市場全体が本格的な「アルトコインシーズン」に入ったとは言い切れない状況だ。
Cryptopolitanが24日付で報じたところによると、Ethereumは約2470ドル(約37万500円)で推移し、過去7日間で約30%上昇した。
同じ期間にBitcoinも約7万8600ドル(約1179万円)まで上昇し、上昇率は22.68%となった。一方で、個別銘柄ではEthereumを上回る値動きもみられ、XRPは約48%、ZECは約64%上昇した。ただ、大型アルトコインの一部が短期的に買われたにとどまり、上昇が市場全体に広がっているとは言いにくい。
資金動向を見ても、依然としてBitcoin中心の構図は大きく変わっていない。Bitcoinの時価総額シェアは暗号資産市場全体で59%超を維持しており、Ethereumは11.4%にとどまった。
投資家心理は強気に傾いている。CoinMarketCapの恐怖・強欲指数は100点満点中80だった。
アルトコインシーズンの代表的な判定指標としては、CoinMarketCapとBlockchain Centerの基準が広く参照されている。CoinMarketCapでは、時価総額上位100銘柄のうち75%以上が過去90日間でBitcoinの騰落率を上回った場合をアルトコインシーズンと定義する。逆に、Bitcoinを上回る銘柄が25%以下であれば、Bitcoinシーズンに分類する。
Blockchain Centerもほぼ同様の基準を採用している。時価総額上位50銘柄のうち、75%以上が90日間でBitcoinを上回る成績を示す必要があるが、足元の指数は43と基準に届いていない。Blockchain Centerの集計では、直近のアルトコインシーズンから332日超が経過している。なお、両指標ともTetherなどのステーブルコインや、WBTC、stETHなどの価格連動型トークンは集計対象から除外している。
オンチェーンデータには、センチメント改善の兆しも出ている。オンチェーン分析会社GlassnodeはX(旧Twitter)で、アルトコイン市場が楽観局面に入りつつあるとの見方を示した。アルトコイン全体の85%が平均を上回る資金調達率を記録しており、これはBitcoinが過去最高値(ATH)近辺で推移していた2025年10月以降で最も高い水準だという。ただし同社は、こうした状態がアルトコインシーズンの局面では数週間続くこともあると付け加えている。
市場では、今回の上昇局面をEthereumが主導する可能性を指摘する声もある。BitMEX共同創業者のアーサー・ヘイズ氏は、現在の保有資産でEthereumがBitcoinに次ぐ規模だと明らかにした。Ethereumについては、2021年の高値をまだ回復しておらず上値余地があることに加え、小型トークンに比べて価値がゼロに収れんするリスクが大幅に低いと説明した。3000ドル(約45万円)を明確に上抜ければ、5000ドル(約75万円)超も視野に入るとの見通しも示している。
アーサー・ヘイズ氏は別のインタビューで、今回の流動性主導の反発局面では、Ethereumが他の主要資産を上回るパフォーマンスを示す可能性があるとも語った。Bitcoinの支配率が40%台まで低下する可能性にも言及している。
もっとも、足元の上昇だけでアルトコインシーズン入りと判断するのは早計だ。6月時点のアルトコインシーズン指数は49にとどまり、6月30日時点ではアルトコインの84%以上が200日移動平均線を下回って推移していた。CryptoQuantのアナリスト、ダークフロスト氏は当時、アルトコインが依然としてBitcoinと高い相関を保っていると指摘していた。こうした地合いでは、流動性の高い一部銘柄だけが短期的に上昇しやすい。
このため、今回のEthereum急伸は強気材料ではあるものの、市場全体の循環的な上昇局面とみなすのは時期尚早といえる。短期ラリーとアルトコインシーズンは別の概念であり、今後はアルトコイン全体の対Bitcoinパフォーマンスと、Bitcoin支配率の変化が重要な観測点となる。