Bitcoin Policy UKは、英国の銀行が合法的なビットコイン取引まで一律に制限しているとして、英議会の調査に意見書を提出した。銀行から暗号資産取引所への送金の約40%が遮断または遅延しているとし、この3年間で状況は改善していないと訴えている。
Bitcoin Magazineが8月24日(現地時間)に報じた。提出先は、暗号資産・デジタル資産に関する超党派議員グループ(APPG)が進める銀行アクセスに関する調査だ。
Bitcoin Policy UKは、英国では暗号資産が一つのカテゴリーとして扱われる結果、ビットコインまで、裏付け資産のないトークンや発行体への依存度が高いステーブルコイン向けの規制の影響を受けていると指摘した。英国政府は2023年以降、銀行は業種単位で一律に制限するのではなく、個別案件ごとにリスク評価すべきだとの考え方を示してきたが、同団体はそれが現場で徹底されていないとみている。
同団体はXへの投稿で、「シティー担当相に問題を提起してから約3年が経過したが、状況は依然として改善していない」と表明した。あわせて、英国では銀行から暗号資産取引所への送金の約40%が遮断または遅延していると主張している。
銀行ごとの対応にも触れた。Virgin Money、Metro Bank、Starling Bank、TSB、Chase UKは、取引所向け送金とカード決済を全面的に停止しているという。BarclaysとHSBCについては、送金上限を1回当たり2500ポンドに設定しているとした。
こうした制限は個人投資家にとどまらず、事業者にも影響が及んでいる。2025年1月に公表されたStartup Coalition、CryptoUK、Global Digital Financeの共同調査では、英国のフィンテック企業・暗号資産企業の回答者の半数が、口座開設を拒否されたか、既存口座を閉鎖されたと答えた。英国の主要9銀行のうち、いずれかで口座を開設し維持できた企業の割合は14%にとどまった。
取引所側の認識でも、状況は厳しさを増している。Bitcoin Policy UKによると、取引所の80%が過去1年で規制対応が一段と厳しくなったと回答し、改善を報告した先はなかった。2025年8月のIG Groupの調査でも、活発に売買する暗号資産投資家の40%が、自身の銀行で決済の遮断または遅延を経験したとしている。
Bitcoin Policy UKは議会調査に対し、4つの対応を求めた。第1に、金融行為監督機構(FCA)登録の取引所を通じたビットコイン取引に一律制限を適用すべきではないとの見解を、規制当局が明確に示すこと。第2に、銀行に対し、取引拒否の具体的な理由の説明と異議申し立て手続きの整備を義務付けること。第3に、香港の事例のように、FCA登録をリスク評価の判断基準として認めること。第4に、制限の実態を定期的に公表する指標を導入することだ。
こうした問題は、英国政府の産業育成方針とも無関係ではない。ルーシー・リグビー氏は昨年12月、英国は米国と競争可能で、国際的な暗号資産ハブになり得るとの認識を示していた。議会調査の結果が、銀行のビットコイン関連の内部統制や規制解釈にどのような見直しを促すかが焦点となる。