Amazonが、配送直前の物流拠点である配送ステーションの自動化構想「Tetromino(テトロミノ)」を社内で検討していることが分かった。米Business Insiderが24日(現地時間)に報じた。AIとロボットを使って荷物の仕分けから配送車両への積み込みまでを自動化し、処理能力の大幅な引き上げを狙う構想だ。
一方、AmazonはTetrominoについて、現時点では初期段階のコンセプトにとどまると説明した。関連文書に記載された具体的な財務数値やスケジュールは、現在の計画を反映したものではないとしている。
配送ステーションは、フルフィルメントセンターから届いた商品を受け取り、顧客への配送前に仕分けして配送車両へ積み込む最後の拠点に当たる。社内の企画文書では、Tetrominoを導入した配送ステーションについて、従来設計比で処理能力を約2.5倍に高める案が示された。
文書によると、Amazonは2028年にTetrominoの試験事業へ1億300万ドルを投じ、2029年に5拠点、2030年に10拠点へ拡大する想定を盛り込んでいた。2029年時点の1拠点当たりの構築費は約8500万ドルと見積もられ、文書上では2029年までの累計投資額が5億3000万ドルを超える可能性も示されている。
ただ、Amazonはこうした数値や日程について現行計画ではないと説明している。同社の広報担当者はTetrominoを「初期段階の概念」と位置付け、具体的な財務数値やロードマップは正確ではないと述べた。安全性の向上や顧客の配送体験の改善に向けてさまざまな技術を試験しており、初期構想は検証の過程で大きく変わり得るとしている。
Tetrominoは、Amazonが進める物流自動化拡大の流れに沿うものでもある。Amazonは7月の決算発表で、2026年にロボットアームの規模を2倍超に拡大する見通しを示した。物流現場では、作業量の変動に応じて人員配置を自動提案するソフトウェアの導入も進めている。
社内文書では、主要技術の1つとして物流自動化スタートアップBerkshire Greyのシステムも挙げられた。コンベヤー上の荷物をいったんトレーに移して保管し、AIで再度取り出して配送順に並べ替える仕組みだという。Berkshire Greyは、自社技術によって車両への積み込み工程を最大10倍高速化できるとしているが、実際にTetrominoへ参画するかどうかは確認されていない。
物流業界全体でも自動化の動きは広がっている。FedExはDexterityのロボットを活用したトレーラー積み込みの自動化を拡大しており、UPSとDHLも荷役作業にロボットを導入している。Amazonも昨年、欧州の施設に7億ユーロを投じ、荷役、仕分け、スキャン設備を含む配送ステーション自動化の試験事業を発表していた。
自動化の拡大に伴う雇用への影響にも関心が集まる。Amazon Roboticsの責任者、タィ・ブレイディ氏は、ロボットの目的は従業員の代替ではなく、現場業務をより安全かつ効率的にすることだと説明している。Amazonも、配送ステーションの自動化は人員を補完する方向だとしている。
Tetrominoの焦点は、単なる処理能力の向上にとどまらない。荷物の大きさや形状にばらつきがあり、配送順や車両の積載スペースも絶えず変化する配送直前の工程まで、AIとロボットで自動化できるかが問われる。Amazonがこれを実運用の現場で実現できるかが注目される。