金とビットコイン 写真=Shutterstock

ビットコインと金がそろって上昇している。ビットコインは直近7日で23.2%上昇し、7万8000ドル(約1170万円)を回復。金も最高値圏まで買われた。ドルが軟調に推移するなか、ドルの購買力低下やインフレに備える資産として、両資産に改めて資金が向かっている。

Decryptが24日(現地時間)に報じたところによると、相場上昇は、米財務省が長期国債の買い入れ規模を従来計画の少なくとも2倍に拡大する方針を示した後に勢いを強めた。

ビットコインはこれまで6万2000〜6万7000ドルのレンジ圏で推移していたが、この発表を受けて上抜けた。金はCMEグループの集計で1オンス4661ドル(約69万9000円)まで上昇した。高水準の長期金利が続く一方でドルが弱含むなか、ビットコインと金が同時に買われる構図に市場の関心が集まっている。

Bitget Walletのリサーチアナリスト、レイシー・ジャン氏は、この動きについて機関投資家の認識変化と重なるとの見方を示した。ビットコインと金の同時高は、ドル安と高い国債利回りが並存する局面で、機関投資家のセンチメントに変化が生じている兆しだと分析した。

また同氏は、ビットコインが単なる高リスク資産ではなく、金と並んで法定通貨の価値低下に備えるデジタルヘッジ手段として位置付けを広げつつあるとも述べた。

もっとも、市場が直ちにドルへの信認低下を織り込んでいるとみるのは早計だとの指摘もある。Nansenのシニアリサーチアナリスト、ジェイク・ケニス氏は、ビットコインと金の同時高にドル安が重なる構図は、財政やドルへの警戒感と符合するとしつつ、それだけで結論づけるのは難しいと述べた。

同氏は、ドル安と高金利が同時に生じる背景として、タームプレミアムの拡大、インフレを巡る不確実性、成長期待の変化などがあり得るとも指摘した。

今回の上昇局面では、ワシントンの政策動向も追い風となった。ドナルド・トランプ米大統領は議会に対し、Clarity法案の「公正なバージョン」を可決するよう促した。

米商品先物取引委員会(CFTC)のマイケル・セリック委員長も、法案成立の遅れに備え、暗号資産市場の構造規制を準備していると明らかにした。

急騰局面ではショートカバーも相場を押し上げた。ビットコインが6万7000ドルを上回ると、下落を見込んでいた売り方の買い戻しが膨らむショートスクイーズが発生した。CoinGlassの集計では、今回のラリー局面に40億ドル超(約6000億円)のショートポジションが強制清算された。

今後の焦点は、この上昇がドル離れを映す構造変化なのか、それとも短期の流動性主導なのかに移る。レイシー・ジャン氏は、見極めには実質金利とデリバティブ市場のポジションをあわせて確認する必要があると指摘した。

実質金利が高止まりするなかで、先物の未決済建玉の増加が現物需要を上回るようなら、今回の上昇は長期的なドル離れというより、短期的なポジショニング主導とみるべきだという。

ジェイク・ケニス氏は、ビットコインと金の強さが続くと同時に、ドル安、長期リスクプレミアムの上昇、長期国債の不振、インフレ期待の拡大がそろって初めて、財政への信認低下を映した取引と判断できると説明した。

一方、流動性主導のラリーであれば、米連邦準備制度理事会(Fed)の利下げ期待や、株式・クレジット市場を含むリスク資産全般の値動きと、より強く連動する可能性が高いとした。

今回のラリーは、ビットコインがリスク資産であると同時に、デジタルヘッジ手段としての性格も試されていることを示している。市場では足元の上昇率そのものよりも、ドル、金、長期国債との連動性がどの方向に定着するかが、今後の解釈を左右するポイントになっている。

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