楽器アクセサリー専門店のBando Mallが、Cafe24の「PROマーケティング」を活用して初めてオンライン広告を出稿し、1カ月で新規訪問者数が66.4%増加した。全体訪問者数も45.4%増加した。広告費用対効果(ROAS)は296%を記録した。
「PROマーケティング」は、広告企画からクリエイティブ制作、媒体運用、成果分析までをCafe24マーケティングセンターの担当者が担うサービスだ。広告運用の経験がない事業者でも導入しやすいよう設計されており、売り上げ発生後に広告費を精算する仕組みによって、初期負担も抑えられるという。
Bando Mallは、ソウル市鍾路区の楽園商街でギター弦やケーブル、各種部品、演奏用品を扱う専門店として、2008年に実店舗とオンラインショップを同時に開設した。国内では入手しにくいGotoh、Schaller、Shubbなど海外ブランドの商品を実物で確認して購入できる点が支持され、演奏者の間で口コミが広がってきた。
エレキギターとアコースティックギターの両方を演奏するカン・ユンジャン代表は、自らの演奏経験を生かした接客を強みにしてきた。単なる仕様説明にとどまらず、演奏者の視点から製品ごとの違いを伝え、顧客の演奏スタイルに合った商品を提案する。カン代表は「同じギター弦でも、材質や太さによって音は変わる。演奏する立場から長所と短所を説明し、顧客に合う製品を提案できる点が最大の競争力だ」と話す。
一方で、課題だったのはオンラインでの新規顧客獲得だった。カン代表は長年、広告の必要性を感じていなかった。演奏者や愛好家が集まる専門市場では、必要な人が自ら探して来店すると考えていたためだ。広告費の規模や効果を見通しにくいことも、意思決定を遅らせる要因になっていた。
カン代表は「マーケティングに対する漠然とした不安があった。どれくらい費用がかかるのか分からず、無駄な支出になるのではないかと思っていた」と振り返る。
転機となったのは、コマースを取り巻く環境の変化だった。YouTubeやSNSで商品に触れ、オンラインで情報を調べたうえでオフライン店舗を訪れる消費者が増えるなか、オンライン接点の拡大が欠かせないと判断した。ただ、これまで広告なしで事業を運営してきたため、どの商品を訴求すべきか、素材をどう作るか、成果をどう管理するかといった一連のプロセスは未知だったという。
そこで同社は、商品データをもとに広告対象やクリエイティブを選定するCafe24の「PROマーケティング」を導入し、初の広告出稿に踏み切った。その結果、1カ月で新規訪問者数は66.4%、全体訪問者数は45.4%増加し、ROASは296%に達した。これまで同社を知らなかった顧客の流入につながり、専門性の高い楽器アクセサリー市場でも広告による新規顧客開拓が可能であることを示した形だ。
特に効果が大きかったのは、広告企画とクリエイティブ制作をCafe24側に任せた運用体制だったという。カン代表は「広告で見た商品をきっかけに来店したという顧客がいること自体が不思議だった。オンライン施策がオフライン来店につながることを初めて実感した」と語った。
オンラインでの変化は、オフライン販売にも広がった。代表例がギターケーブルだ。実店舗では継続的に売れていた一方、オンラインでは相対的に注目されにくい商品だったが、広告開始後はオンライン注文が発生し、広告を見て店舗を訪れる顧客も現れたという。
Cafe24は今回の事例について、広告運用の経験がない小規模な専門店でも、データに基づく広告運用が機能し得る例だと位置付ける。取扱商品が専門的で顧客層が限られる業種では、広告効果を見通しにくく、出稿判断が先送りされがちだが、商品データを起点に訴求商品を絞り込むことで、初期段階の試行錯誤を減らせるとしている。
同社は、ショップに蓄積された商品データや販売データを広告戦略と連動させる点を特徴に挙げる。広告指標だけを見るのではなく、継続的に売れている商品や成長余地の大きい商品もあわせて分析し、広告対象やクリエイティブを決める。素材が不足しているショップには制作から、主力商品が明確でないショップには商品データに基づく優先順位の見直しから対応するという。
カン代表は、Cafe24の支援を通じてBando Mallの個性をより生かせるようになったとみている。楽器好きが集い、会話を交わしながら、自分の演奏スタイルに合う商品を選べる専門店であり続けたい考えだ。
カン代表は「音楽には世代と世代をつなぐ力があると思う。これからも音楽が好きな人が楽しく働ける会社であり、演奏者が信頼して訪れる専門店でありたい」と述べた。