Bitmine Immersion Technologies(BMNR)が保有するイーサリアムの評価額が、ETHの急伸を受けて1日で22億ドル増加した。保有資産の評価額は132億ドルに拡大したが、ポートフォリオ全体ではなお多額の未実現損失を抱えている。
ブロックチェーンメディアのU.Todayが20日(現地時間)、Bitmineが足元のイーサリアム上昇局面で恩恵を受ける企業として市場の注目を集めていると報じた。
最新の報告書によると、Bitmineのイーサリアム保有量は581万5000ETHで、流通量の約4.8%に相当する。週初に110億ドルだった保有資産の評価額は、ETHが20%上昇して2200ドルを上回ったことで、132億ドルまで膨らんだ。
同社はこの1年あまり、毎週ETHを買い増してきた。保有分の87%をステーキングに回しており、年換算で約2億5000万ドルの収益を得ているという。自社株買いも積極的に進めている。
一方、ポートフォリオ全体は依然として含み損の状態にある。DropsTabによると、Bitmineのイーサリアム保有分の未実現損失は60億9000万ドルで、未実現損失率は31.25%。総投資額は194億9000万ドル、平均取得単価は1ETH当たり3357.63ドルと集計された。
この戦略を主導するのが、Bitmine会長でFundstrat共同創業者のトム・リー氏だ。同氏は、イーサリアムとビットコインの価格比を示すETH/BTCが長期の下落トレンドラインを上抜け、0.02994を突破したことを相場の構造変化のシグナルとみている。ウォール街がイーサリアムを単なる投機資産ではなく、実利用のある資産として評価し始めたとの見方を示した。
リー氏は、イーサリアムの長期需要をAIとロボティクスの普及に結び付ける。人型ロボット向けソフトウェアがクラウド基盤の「集団知能」として急速に統合されるなか、イーサリアムのスマートコントラクトがそのエコシステムの基盤となるOSになり得ると説明した。イーサリアムを「AIインフラの下層を支える基盤」と位置付ける背景もそこにあるという。
同氏は「AIとロボティクスが急速に発展するにつれ、暗号資産の重要性も一段と高まっている。イーサリアムは最も重要なレイヤー1(L1)になる」と強調した。
Fundstratは、ビットコインがインフレヘッジとしての「デジタルゴールド」に近い一方、イーサリアムは将来のAI経済インフラを支える決済レイヤーとして「デジタルオイル」に当たるとみている。Bitmineによる大規模なイーサリアリアム積み増しとステーキング戦略も、短期的な値上がり益を超えて、イーサリアムの実利用拡大に賭ける動きと受け止められている。
今後の焦点は、イーサリアムの上昇基調が続き、Bitmineの巨額の評価損をどこまで圧縮できるかにある。ステーキング収益とETH/BTCの反発は追い風だが、足元の価格は平均取得単価を大きく下回っており、AI・ロボティクスの普及が実需拡大につながるかがカギとなる。