21日に政府果川庁舎で開かれた放送メディア通信委員会の2026年第29回全体会議。写真=放送メディア通信委員会

放送メディア通信委員会は21日、YTN最大株主のユジンENTに対する聴聞開始案件を全体会議で審議したが、野党推薦委員2人が退席し、会議が定足数を欠いたため議決を見送った。案件は、YTNの最大株主を巡るユジンENTの出資者変更承認を取り消すかどうかを判断する前提として、当事者の意見を聞く手続きを始めるものだった。

同委は同日の第29回全体会議で、「ユジンENTに対する聴聞に関する件」を議題とした。2024年2月に旧・放送通信委員会が議決したYTNの出資者変更承認について、手続き面と内容面の違法性を点検し、承認取り消しの是非を判断する前にユジンENTを対象とする聴聞を実施する内容だ。

キム・ジョンチョル委員長はこの案件の審議を回避し、この日、副委員長に選出されたコ・ミンス副委員長が委員長職務代行として議事を進めた。

コ副委員長は、聴聞について「当事者の意見を聞き、証拠を調べる手続きだ」と説明。処分の慎重性と妥当性を担保するため案件を上程したと述べた。あわせて、聴聞後に事情変更があった場合に手続きを再開できるとする行政手続法の規定も踏まえたとした。

一方、野党推薦のチェ・スヨン委員とイ・サングン委員は、審議と議決には加わらないとして退席した。

チェ委員は、これまで法律諮問団の会議や委員懇談会、ユジンENT側とYTN側からの意見聴取を行ってきたものの、1週間前に各委員の立場を公表して以降、新たな事実や従来の検討結果を覆す法的根拠は示されていないと指摘した。

その上で、「裁判所の判断を待てないほどの緊急性や、職権で取り消し手続きに着手すべき公益上の理由は確認しにくい」と主張。控訴審の判断前に行政機関が先に結論を出せば、司法判断に影響を及ぼし、法的な不確実性を高めかねないとの見方を示した。

また、「聴聞が結論ありきで、それを裏付ける手続きになってはならない」と述べ、裁判所の判断など新たな状況を見守るのが妥当だとした。

イ・サングン委員もチェ委員の意見に同調し、不参加を表明した。1審判断だけを根拠に行政措置へ踏み切ることに懸念を示し、最終審判断まで見守るべきだと訴えた。さらに、職権取り消し後に委員個人に対し、職権乱用や損害賠償の問題が提起される可能性にも言及した。

2人の退席後、会議場に残ったのはコ副委員長、リュ・シンファン委員、ユン・ソンオク委員の3人だった。放送メディア通信委員会設置法は、委員会会議を4人以上の出席で開き、出席委員の過半数の賛成で議決すると定めている。事務局は、3人のまま審議と議決を進めた場合、適法性を巡る法的論点が生じ得るとして、追加の法的検討が必要との見解を示した。これを受け、コ副委員長は議決手続きを進めなかった。

ユン・ソンオク委員は、野党推薦委員の退席に遺憾の意を表明した。「結論を先に決めるのではなく、行政手続法上の聴聞は当事者の防御権を保障するための手続きだ」と述べ、手続き的・実体的な違法性の有無を判断するには、ユジンENT側の意見を聞く必要があると強調した。

聴聞を「結論をあらかじめ定めた手続き」とみなす主張についても、「極めて遺憾だ」と反論。「その手続き自体を行わないというのは、委員としての責務を果たしているのか問わざるを得ない」と述べた。

コ副委員長も、行政機関は自らの違法または不当な処分を取り消し得ると強調した。事実関係の確認と法律諮問は進めてきたが、証拠調査がなお不十分だとみる委員もいるため、最終的な取り消し判断に先立って聴聞を実施しようとしたと説明した。

さらに、旧・放送通信委員会の意思決定主体を巡る問題についても点検が必要だと指摘。「権限のない者による議決は、無効に至り得る重大な違法となる可能性がある」との認識を示し、今後もユジンENTに対する聴聞問題を継続して扱う考えを明らかにした。

案件審議の終了後、再び会議場に入ったキム委員長は、「お二人の委員が離席したまま案件の議論を終えられず、心が重い」と述べた。その上で、「意見が異なっても、会議の場で多様な考えを出し合い、十分に議論した上で意思表示するのが望ましい」と語った。

今回の論争は、2024年2月、2人体制だった旧・放送通信委員会がユジンENTによるYTNの出資者変更を承認したことに端を発する。その後、裁判所はこの承認処分について手続き上の違法性を認め、取り消し判決を下した。現在は上級審で審理が続いている。

放送メディア通信委員会内でも、裁判所の判断を待つべきだとする立場と、行政機関として別途違法性を点検し、聴聞手続きを進めることは可能だとする立場が対立している。YTN最大株主問題を巡る議論は今後も続く見通しだ。

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