英折りたたみ電動自転車メーカーのFLITは、新型モデル「M2i」を発表した。車体重量は13.3kgで、Bromptonの「Electric T Line」より約500g軽い。価格は2999ポンドで、同モデルの5799ポンドに比べて約半額に抑えた。
Electrekが20日(現地時間)に報じた。
折りたたみ電動自転車では携行性が重要になるが、軽量モデルをうたう製品でも20〜25kg前後にとどまる例が多く、階段の上り下りや公共交通機関への持ち込み時に負担になりやすい。FLITはM2iでこうした課題への対応を狙う。
M2iは、折りたたんだ状態でも車輪を転がして移動できるほか、列車の荷物棚に収まるサイズまで小さく折りたためる。走行時の性能だけでなく、通勤や乗り換え時に手で持ち運ぶ場面も想定した設計だという。
同社は既存モデル「M2」からさらに1.2kgの軽量化を実現した。フレームにはチタンではなく、ケンブリッジで製造したカスタムのアルミフレームを採用。製造工程には構造用接着プロセスを取り入れた。
溶接ではなく構造用接着剤を使うこの手法は、航空宇宙や高性能車の製造でも採用されている。FLITによると、溶接時の熱変形を抑え、フレームのアライメント精度を維持しやすいという。この製造プロセスは、Innovate UK、英国王立工学アカデミー、Advanced Propulsion Centreの支援を受けて開発した。
フレーム以外の部品でも軽量化を進めた。M2iには、英国製のHope XCR Pro X2油圧ディスクブレーキ、Goodyear Eagle F1 Rタイヤ、Fizik Vento Antares R3サドル、TPUチューブ、中空ピン仕様のKMCチェーンなどを採用した。FLITは、こうした部品構成の見直しがM2比で875ポンド超相当のアップグレードに当たるとしている。
FLITのアレックス・マリー代表は、軽さだけを追うのではなく、駅の階段で持ち上げたり、混雑した通勤列車に載せたりできる製品を目指したと説明した。M2のプラットフォームをベースに、日常的な使い勝手を維持しながら、軽量化できる部分を全面的に見直したという。
軽量化のために利便性を大きく犠牲にしたわけではない。M2iは前後一体型ライトを備え、折りたたみ時も車輪で移動できる。
価格面でも競争力を打ち出す。FLITは、M2iがBromptonの最軽量電動モデルより軽く、価格は約半額だと訴求している。英国の自転車通勤支援制度を活用すれば、実質的な購入負担はさらに下がる可能性があるとしている。
M2iは、折りたたみ機構や電動アシスト性能に加え、重量や公共交通機関との親和性、実際の携行性が競争力として重要になっていることを示す製品といえそうだ。
FLITは、高価な素材に頼るのではなく、フレーム製造方法と部品構成の見直しによって軽量化を進めた。プレミアム折りたたみ電動自転車市場で、軽さと日常での使いやすさを武器にBromptonなどの既存勢と競う構えだ。