米連邦債務が40兆ドル(約6000兆円)を超え、ビットコインの希少性に改めて注目が集まっている。写真=Reve AI

米国の連邦債務が史上初めて40兆ドル(約6000兆円)を超え、ビットコインを希少性の高い非主権資産として見直す動きが強まっている。もっとも、相場の短期的な方向感は引き続き金利とドルの動向に左右されるとの見方が多く、市場の関心は短期材料と長期テーマの両面に向かっている。

Cointelegraphが20日(現地時間)に報じたところによると、市場では、債務拡大がビットコインの長期需要を支えるとの見方がある一方、目先の値動きはなお金利やドル相場に大きく左右されるとの受け止めも出ている。

今回の債務膨張は、米財務省が長期国債への売り圧力を抑える措置を打ち出した時期と重なった。長期国債利回りは、それまで2007年以降で最高水準まで上昇していた。

スコット・ベセント米財務長官は、10年債から30年債を対象とする国債バイバックの規模を、1回当たり最低40億ドル(約6000億円)へ倍増すると表明した。発表を受けて、長期金利とドルは下落し、ビットコインと金は上昇した。

ビットコインはレンジを上抜け、7万3000ドル(約1095万円)を超えた。直近24時間では約5.5%、過去1週間では約15%上昇している。

この上昇の背景を巡っては、市場関係者の見方が分かれている。Bloombergは、ドナルド・トランプ米大統領が19日にホワイトハウスで業界幹部と会談した後、米国の暗号資産政策がより友好的になるとの期待が相場を支えたとみている。

一方、一部の投資家は、財務省の措置と米財政を巡る環境変化が同時に作用したとみている。

TrendLabs創業者で暗号資産アナリストのジェーシー・パレツ氏は、財務省による長期国債バイバックの拡大に注目する。債券市場では、長期金利の上昇を抑えようとする動きとして受け止められたという。

長期金利の安定を狙う政策対応がリスク資産選好を促し、その資金の一部がビットコインに向かったとの見方だ。

ただ、連邦債務が40兆ドルを超えたこと自体が、直ちにビットコイン相場の強気材料になるわけではないとの指摘もある。Bitunixのアナリスト、ディーン・チェン氏は、財務省のバイバックが長期金利を一時的に押し下げ、ドルを軟化させる可能性はあるとしつつも、財政赤字の継続と資金調達需要の拡大によって、最終的には借り入れコストが再び上昇しかねないとみている。

同氏は、ビットコインの短期的な方向性を見極めるうえでは、ドル高の進行、米長期金利、インフレ期待がより重要な変数になると指摘した。

その一方で、長期的には米債務の拡大がビットコインの投資ストーリーを補強するとの見方もある。DeFiプロトコル「Yield Basis」のアナリストは、米国債務が増え続ければ、通貨価値の希薄化に備えるヘッジ需要が強まる可能性があるとみている。

根拠として挙げるのは、ビットコインが供給量の上限を持ち、特定の主権国家の発行主体に依存しない資産だという点だ。

米国では利払い負担も急拡大している。Reutersによると、2026会計年度の最初の10カ月間で利払い費は医療関連支出を上回り、社会保障に次ぐ連邦予算項目となった。

市場が米国の財政拡大を単なる数字の問題ではなく、金利や流動性、ドルの価値に影響する構造要因として捉えているのはこのためだ。

今後の焦点は大きく2つある。短期では、米財務省の国債運営や米長期金利、ドルの動向がビットコイン価格を左右する。長期では、米債務の累増が法定通貨の価値希薄化懸念を強め、ビットコインの希少性と非主権性への需要を押し上げるかが注目点となる。

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