ベテラントレーダーとして知られるピーター・ブラント氏が、ビットコインに対する弱気見通しを修正し、買いポジションに転じた。判断材料として、逆ヘッドアンドショルダーの完成と、6万4000ドル近辺の主要抵抗線の上抜けを挙げている。
ブロックチェーン専門メディアのU.Todayが20日(現地時間)に報じた。
ブラント氏は直前まで、ビットコインに追加下落の余地があるとみていた。弱い地合いが続くなか、右肩の形成に時間がかかっていたため、パターンは下方向に決着する可能性が高いと判断。確率は60対40で下放れ優勢とみており、当時の全体トレンドについても下降基調と診断していた。
ただ、今週の値動きでこの見方は修正を迫られた。ビットコインは6万4000ドル前後の抵抗線を突破した後、7万3000ドル台まで上昇。数週間続いていたレンジ相場を上抜けた。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物日足チャート「BTC-056」でも、逆ヘッドアンドショルダーのネックライン突破を確認した。足元の相場局面では珍しい反転パターンの完成が、買い判断を後押しした格好だ。
同日の同先物は一時7万2335ドルまで上昇し、前日比では2585ドル高となった。
ブラント氏は、ヘッドアンドショルダーのボトム形成が相場の見方を変えたと説明。市場の流れに逆らうのではなく、それに従って判断したとし、「良くも悪くも、ブレイクアウトで買った」と述べた。
もっとも、市場の受け止めは一様ではない。一部の市場参加者は、同氏が示した60対40の確率モデルについて、単一の取引判断にそのまま当てはめるのは妥当でないと指摘した。
これに対しブラント氏は、リスク管理で重要なのは「大数の法則」だと反論した。個々の取引では小さな確率優位が意味を持ちにくく見えても、取引回数を重ねれば、その差が期待収益の積み上げにつながると説明している。
一方で、今回のポジション転換がビットコインの長期見通しまで全面的に変わったことを意味するわけではない。あくまで6万4000ドルの突破と反転パターンの完成という、テクニカル要因に基づく対応との見方が強い。
今後、価格が再びブレイクアウト水準を下回れば、今回の買い判断の前提は崩れる可能性もある。
今回の動きは、相場の方向性そのものを予測するというより、チャートシグナルと取引ルールを優先した判断として注目される。珍しい反転パターンの完成とブレイクアウトが、実際のポジション変更につながった点が焦点となっている。