写真=Shutterstock

Walmart株が急落し、時価総額は1日で約812億ドル縮小した。四半期の売上高と利益は市場予想を上回ったものの、米国事業の既存店売上の伸び鈍化に加え、第3四半期見通しの弱さが嫌気された。

8月20日(現地時間)、ブロックチェーンメディアのDecryptによると、Walmart株は前日終値114.30ドルから10.20ドル安の104ドル前後で取引された。取引時間中の下落率は一時2桁に達し、安値は102.85ドルを付けた。発行済み株式数約79億6000万株を基にすると、時価総額は約9100億ドルから約8290億ドルへ縮小した。

今回の下落は、業績の悪化そのものを映したものではない。四半期売上高は1879億4000万ドルと前年同期比5.9%増で、市場予想の1868億2000万ドルを上回った。調整後1株当たり利益(EPS)も0.81ドルと、コンセンサスの0.74ドルを超えた。営業利益は約94億ドルで28.8%増だったが、この中には29億ドル規模の関税還付の効果が含まれている。

市場が注目したのは、米国事業の成長鈍化だ。燃料を除く米国既存店売上高は2.6%増にとどまり、市場予想の3.7~3.8%程度を下回った。米国既存店売上が市場予想に届かなかったのは5年超ぶりで、伸び率は2020年以降で最低水準となった。前四半期は4.1%増だった。

来店客数の伸びも鈍った。来店客数の増加率は前四半期の3%から今四半期は1.5%へ低下した。Walmartは約1万1000品目を値下げしたが、投資家が期待したほどの集客効果はなお表れていないことが示された。

米国事業の重荷となったのは薬局部門の価格下落も同様だ。連邦メディケアの薬価調整を受け、ヘルス・ウェルネス部門の売上高が減少した。同部門を除いたベースでの米国既存店売上の増加率は約3.4%だったが、それでも市場の期待には届かなかった。

低所得層の消費環境も逆風となった。燃料費の高騰が裁量的支出の余力を圧迫し、経営陣は燃料関連コストが年間で従来見通しより20億ドル超増えると見込んだ。Walmartは29億ドル規模の関税還付金の大半を、年末までに食品や一般商品の追加値下げに充てる計画も明らかにした。

失望を広げた最大の要因は、第3四半期のガイダンスだった。Walmartは四半期の売上高成長率を3~3.75%と見込み、市場予想の約4.9%を大きく下回った。調整後EPS見通しも0.62~0.64ドルとし、ウォール街予想の0.67ドルに届かなかった。

一方、通期見通しは引き上げた。年間売上高成長率の見通しは4~5%へ上方修正し、調整後EPSガイダンスも2.80~2.87ドルに引き上げた。ただ、利益見通しの中央値は市場予想の約2.90ドルを下回っており、投資家は通期の上方修正よりも足元の減速シグナルを重く見た。

成長ドライバーが失われたわけではない。グローバルのEC売上高は23%増、米国のEC売上高は24%増だった。米国の広告事業「Walmart Connect」も43%成長した。店舗販売に加え、オンラインや広告といった高収益事業の拡大は続いているが、今回は既存店売上の鈍化と来店客数の伸び悩みが、より強く株価に織り込まれた格好だ。

株価急落の影響はトークン化株式市場にも広がった。OndoベースのWalmartトークン化株式「WMTon」は24時間ベースで10.7%下落し、104.79ドル近辺で取引された。同期間の価格レンジは104.34~117.47ドル。出来高は約69万2000ドルと前日比56%増え、流通時価総額は約211万ドルとなった。CoinGeckoベースでは、5月に付けた過去最高値の135.25ドルを22.5%下回る水準にある。

今回の株安は、Walmart全体の業績悪化というより、米国の中核事業の成長ペースと先行き需要への懸念を反映したものといえる。売上高、調整後利益、EC、広告はいずれも伸びたが、予想外の既存店売上の失速と慎重な第3四半期見通しが、高い評価を支えてきた前提を揺るがした。

キーワード

#Walmart #小売 #決算 #既存店売上 #ガイダンス #EC #広告 #トークン化株式
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.