Coinbaseのブライアン・アームストロング最高経営責任者(CEO)は20日、米国で暗号資産を巡る法整備が進むとの期待を背景に、ビットコインが2030年ごろに30万〜40万ドルへ達する可能性が高いとの見方を示した。
ブロックチェーンメディアのBitcoin Magazineによると、アームストロング氏はFox Business Networkに出演。中長期の価格見通しを問われ、「今後数年のうちに、2030年ごろにはビットコインが30万〜40万ドルに到達する可能性は非常に高い」と述べた。
強気見通しの背景として挙げたのが、ホワイトハウスでの会合を受けた法制化への期待だ。ドナルド・トランプ米大統領は19日、ホワイトハウスで暗号資産業界の幹部や伝統的金融機関の関係者と会談し、議会に対してクラリティ法案の前進を求めたとされる。
その後、ビットコインは7万2900ドル台まで上昇した。
アームストロング氏は、「トランプ大統領に加え、米証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)のトップも参加した会議で、最大の議題はクラリティ法案だった」と説明。「法案を早期に取りまとめ、成立させようとするトランプ政権の強い意思を確認できた」と語った。
トランプ氏はこれまでも、クラリティ法案を「非常に強力な法案」と評価していたという。
クラリティ法案は、デジタル資産を証券、商品、決済用ステーブルコインのいずれに区分するかの基準を定める内容だ。暗号資産業界が長年求めてきた規制の枠組みであり、市場では法整備の大きな転換点と受け止められている。
当初は一部議員が8月中の採決を見込んでいたが、採決時期は9月に後ずれした。背景には、ステーブルコインの利子収益を巡る銀行業界と暗号資産業界の対立があるとされる。
一部の銀行は、暗号資産企業がステーブルコイン保有者に高い報酬を付与した場合、預金基盤が弱まる可能性があると懸念してきた。
一方、アームストロング氏は、銀行側の反対は一枚岩ではないと強調した。「実際に複数の銀行がクラリティ法案を支持している」と述べたうえで、「多くの銀行は、この法案が新技術を活用して事業を拡大する権限を与えることを理解している」と主張。反対は依然として一部にとどまるとの見方を示した。
今回の発言は、米国で暗号資産の法整備が加速するとの市場期待を映したものといえる。今後は9月の採決が実現するかに加え、ステーブルコイン報酬を巡る業界間の隔たりが埋まるかどうかが焦点となる。