ドナルド・トランプ米大統領は8月19日、暗号資産の市場構造を定めるクラリティ法案について、上院に早期可決を求めた。法案審議が上院で停滞する一方、米商品先物取引委員会(CFTC)と米証券取引委員会(SEC)は並行して規制整備を進めている。
ブロックチェーンメディアのCointelegraphによると、トランプ大統領はホワイトハウスで開いた記者会見で、上院はクラリティ法案の「公正な内容」のクラリティ法案を可決すべきだと述べた。会見には、Coinbaseのブライアン・アームストロングCEO、Gemini共同創業者のキャメロン・ウィンクルボス氏、タイラー・ウィンクルボス氏ら暗号資産業界の関係者が出席した。
トランプ大統領は法案の必要性について、中国との競争を挙げて説明した。「米国が中国に先んじるには、この法案の成立が必要だ」と強調した。
クラリティ法案は2025年7月に下院を通過した。ただ、トークン化株式、ステーブルコインの報酬、トランプ一族と暗号資産業界の利益相反の可能性を巡る懸念から、上院ではここ数カ月、審議が進んでいない。
会見では、法案の長期的な安定性と超党派の支持も焦点となった。アームストロング氏は、同法案が米国の暗号資産政策の基盤を強化し、今後数十年にわたって維持されるとの見方を示した。さらに、上院が9月18日に終結動議を採決すれば、可決に必要な60票を確保できるとの見通しも語った。
トランプ大統領も超党派の支持に言及し、「クラリティ法案は非常に超党派的だ。民主党からも多くの支持を得ている」と述べた。上院が休会中のなか、業界幹部とともに法案成立を後押しする姿勢を改めて示した格好だ。
規制当局の動きも続いている。今回の会見は、CFTCのイノベーション諮問委員会の会合を翌日に控えて開かれた。マイケル・セリックCFTC委員長は、議会が約1カ月休会する間も、諮問委員会の会合を通じて暗号資産規制の議論を前に進める考えを明らかにしている。
SECも同じ週、別の規制案を提示した。一部トークンが「投資契約」と見なされないよう企業にセーフハーバーを設け、トークン発行に一定の例外を認める内容という。立法が遅れるなか、規制当局が独自にルール整備を進める動きも強まっている。
クラリティ法案を巡っては、上院での審議日程に加え、CFTCとSECの追加対応が今後の焦点となる。市場構造に関する立法と行政による規制整備が並行して進むかどうかが、米国の暗号資産規制の方向性を左右しそうだ。