チャールズ・ホスキンソン氏(写真=IOHK)

チャールズ・ホスキンソン氏は、暗号資産市場の弱気相場について一時的な局面に過ぎないとの見方を示した。そのうえで、次の上昇局面は過去のような投機主導ではなく、実利用の広がりが鍵になると強調した。

ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicが19日(現地時間)に報じたところによると、ホスキンソン氏はワイオミング・ブロックチェーン・シンポジウム(WBS)での講演で、弱気相場はいずれ終息し、その後は再び上昇局面に入ると述べた。

一方で、次の強気相場は投機資金だけでは形成されないとの認識も示した。数十億人規模の新たな投資家と10兆ドル(約1500兆円)規模の資本を呼び込むには、業界が新しい世代と新たな物語を受け入れる必要があると指摘。基盤技術の複雑さを利用者に意識させるのではなく、開発者がよりシンプルで安全な製品を提供すべきだと訴えた。

こうした発言は、暗号資産を金融資産として捉える発想にとどまらず、実社会の課題解決に資するインフラへと発展させるべきだとの問題意識を映している。ホスキンソン氏は、次の相場上昇を支える中核は実利用にあるとの立場を鮮明にした。

もっとも、こうした強気の見方が示された時点で、カルダノのエコシステムは低迷が続いていた。ADAは今週、一時0.1753ドル(約26円)まで下落し、年初来では47.3%安となった。時価総額でも上位10銘柄から一時外れた。エコシステム内では市場低迷に加え、プロジェクトの終了やガバナンスを巡る対立も続いた。

DeFi関連の指標も縮小している。カルダノの預かり資産総額(TVL)は、ピーク時の4億3700万ドル(約656億円)から6500万ドル(約98億円)へと85%減少した。弱気相場の影響が、価格だけでなくエコシステム全体の活動にも及んでいる格好だ。

それでもホスキンソン氏は、カルダノの中長期的な見通しに楽観的な姿勢を崩していない。ADAは年末までに時価総額上位10銘柄に復帰し、2027年には大幅な上昇を見せる可能性があると語った。

反発の根拠として挙げたのは、DeFi分野の強化だ。ビットコインDeFiとAlphaGrowthのPRIMEイニシアチブを通じて、エコシステム内の資金と用途の拡大を図る。加えて、LeiosとHydraのアップグレードを進め、処理性能と拡張性を高める計画だ。ネットワーク性能の改善とDeFiの立て直しを同時に進める構想という。

このほかカルダノは、年末にRealFiのメインネット公開を予定している。RealFiは、ブロックチェーン基盤の資本を実物信用と小口金融市場につなぐことを目指す取り組みだ。定着すれば、金融サービスへのアクセスが限られる層と新たな資本源を結び付け、カルダノのエコシステムにより多くの利用者を呼び込む可能性がある。

ホスキンソン氏のメッセージは、市場反発そのものよりも、その前提条件に重きを置く内容だ。業界が実利用を伴うサービスや金融インフラを構築できるかどうかが、次の強気相場を左右するとの見方を示した。

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