米証券取引委員会(SEC)[写真:Shutterstock]

米証券取引委員会(SEC)は19日、暗号資産関連の投資契約を対象とする新たな規制案を公表した。資金調達を認めつつ投資家保護を維持する、明確で実効性のあるルール整備を進めるのが狙いだ。

Cointelegraphによると、ヘスター・ピアースSEC委員は今回の提案について、従来の暗号資産規制のあり方を見直し、より明確で執行可能なデジタル資産ルールへ移行するための重要な前進だとの認識を示した。

規制案は、特定の暗号資産を含む投資契約を対象に、目的に即した明確な枠組みを整えることに重点を置く。資金調達の道を確保しながら、投資家保護を維持することが柱となる。

ピアース氏は声明で、SECのこれまでの対応によって市場参加者が長年困難に直面してきたと指摘した。その上で、暗号資産に適さないルールが適用されてきたとして、今回のガイドラインは合理的で実効性のあるルール整備に向けた重要な一歩だと強調した。

ポール・アトキンスSEC委員長も、この規制案への支持を表明した。過去のSECによる執行中心の対応が、米国の投資家を海外市場に向かわせたとの認識を示し、取り締まりよりも先にルールを整える必要があると訴えた。

今回の提案は、米上院でデジタル資産市場明確化法案「クラリティ法案」が進展しなかった数日後に示された。同法案は、暗号資産業界を監督する金融規制当局全体の包括的な枠組みを整備する内容を含む。議会レベルでの包括立法が停滞する中、SECが独自に制度設計を進める構図が鮮明になっている。

アトキンス氏は7月27日のCNBCとのインタビューでも、上院でクラリティ法案が成立しない場合でも、SECは単独でデジタル資産ルールを整備できるとの考えを示していた。SECにはルール策定に必要な準備と意思、能力がそろっているとしていた。

市場では、立法を巡る勢いの鈍化にも注目が集まっている。Galaxy Digitalは、クラリティ法案が2026年に可決される確率を10%に引き下げた。政治的な争点がなお複数残っていることに加え、上院が9月14日に再開した後も、審議に充てられる期間が2〜3週間程度に限られる可能性があることを理由に挙げた。

今後の焦点は、SECが今回の提案を実際のルールとして具体化できるかどうか、そして議会による包括立法が再び推進力を取り戻せるかどうかの2点にある。少なくとも今回の提案によって、米国の暗号資産規制を巡る議論の軸が、執行中心からルール整備へと移りつつあることは明確になった。

キーワード

#SEC #暗号資産 #デジタル資産 #投資契約 #規制案 #デジタル資産市場明確化法案 #クラリティ法案
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.