ビットコインのボラティリティが、17年の歴史の中でも異例の低水準に落ち込んでいる。相場は価格、取引量ともに膠着感を強めており、市場ではこの静けさの後に大きな値動きが訪れる可能性に注目が集まっている。
Bitcoin Magazineが19日(現地時間)に報じたところによると、Fidelity Digital Assetsは、ビットコインのボラティリティが過去の取引日の98.5%を下回る水準まで低下したと明らかにした。
現物市場の取引量も細っている。Fidelity Digital Assetsは、現物取引量が2019年以降で最も低い水準にあると指摘した。
価格も方向感を欠く。ビットコインは直近30日間、ほぼ横ばいで推移しており、記事執筆時点では6万5000ドル前後で取引されている。2025年10月に付けた最高値からは約50%低い水準だという。
Fidelity Digital Assetsは、現在の相場を「圧縮局面」と位置付けた。巻かれたバネのように、ボラティリティの低下が長引くほど、その均衡が崩れた際に相応の値動きが出やすくなるとの見方を示している。
同社は今月上旬にも同様の見解を示し、こうした圧縮局面は通常、長く続かないとしていた。
市場では、相場が底打ちに向かっているとの見方も出ている。一部アナリストは、直近30日間に価格がほとんど動いていない点を踏まえ、安値圏の形成が進んでいる可能性があるとみている。
VanEckも、30日実現ボラティリティが年率27.2%となり、前月の30.4%からさらに低下したと公表した。この水準は、ビットコインの長期平均とされる約80%を大きく下回る。
VanEckは過去のサイクルを基に、今年9〜11月に底が形成される可能性があるとみる。短期的な反発の有無よりも、ボラティリティ縮小がどこまで続くかが次の方向性を左右する要因になりつつある。
ボラティリティ低下の背景には、投資家層の拡大があるとの見方もある。2024年にビットコイン現物ETFが承認されて以降、従来の暗号資産投資家に加え、新たな投資家層が参入しやすくなったためだ。
コールドストレージの管理負担を避けたい個人投資家は、証券口座を通じてビットコインへのエクスポージャーを持てるようになった。政府系ファンドや銀行などの機関投資家も、ETF経由で市場に参加しやすくなった。
市場規模の拡大も、値動きの落ち着きにつながっている。ビットコインの時価総額が膨らみ、過去に比べて急激な価格変動が起きにくくなったという説明だ。
K33リサーチは昨年12月の報告書で、2025年はビットコイン史上で最もボラティリティの低い年だったと評価した。その上で2026年については、リターンで金や株式を上回る可能性があると見通した。
足元の下落局面も、過去の弱気相場とは様相が異なるとみられている。ビットコインは17年の歴史の中で、最も浅い弱気相場をたどっているとの評価もある。
市場の関心は、低ボラティリティと低調な取引がどこまで続くのか、そして圧縮局面が解消される際に相場が上放れるのか、下放れるのかに移っている。