ビットコインが7万ドル近辺まで反発したことを受け、19日の米株式市場では暗号資産関連株が軒並み上昇した。Strategyは11.95%高、Coinbaseは9.05%高で取引を終え、ショートカバーも上昇に拍車をかけた。
ブロックチェーンメディアのDecryptによると、Strategyは103.58ドル、Coinbaseは159.47ドルで引けた。
Circleは9.44%高の78.50ドル、Bitmineは9.68%高の20.05ドルだった。4銘柄はいずれも取引時間中に高値を付けた後、終盤にかけて上げ幅をやや縮小したものの、この夏で最も大きい日次上昇となった。日中高値はStrategyが106.90ドル、Coinbaseが165.74ドル、Circleが81.22ドル、Bitmineが20.90ドルだった。
上昇の主因はビットコインの反発だ。ビットコインは同日、7万ドルに迫る水準まで上昇し、1時間で10億ドル超の弱気ポジションが清算された。こうした値動きを受け、上場する暗号資産関連銘柄にも買いが広がった。
米財務省が9月から長期国債のバイバックプログラムを少なくとも2倍の規模に拡大する方針を示したことも、リスク資産全般の支援材料となった。暗号資産市場全体の時価総額は同日の取引時間中に5%超拡大した。
もっとも、ビットコイン高が株価に及ぼす経路は銘柄ごとに異なる。Strategyは財務資産としてビットコインを直接保有しており、Coinbaseは暗号資産の取引増加が手数料収入の拡大につながる。CircleはUSDCの発行体で、準備資産の運用収益を収益源としている。
Bitmineは大量のイーサリアムを保有してステーキングする企業で、市場では実質的なイーサリアム連動株として受け止められている。
なかでもStrategyとCoinbaseは空売り比率の高い大型株とされ、当日の上昇率を押し上げたとの見方が出ている。Coinbaseは金融セクターで空売り比率が5番目に高い銘柄とされる。
このため、今回の上昇は暗号資産デリバティブ市場でのショートスクイーズだけでなく、株式市場で両銘柄を売り建てていた投資家のショートカバーも重なった動きとみられている。Decryptは「年初からビットコインが軟調だったため、空売りはしばらく有利なポジションとみなされていた」と伝えた。
企業が保有する暗号資産の規模も、株価の感応度を高めている。Strategyは直近の週次開示で、84万447BTCと現金48億ドルを保有しているとした。株価が業績以上にビットコイン価格へ反応しやすい構図が強まっている。
Bitmineも同様だ。トム・リー会長は今週、Bitmineが582万ETHを保有し、その価値は約114億ドルで、イーサリアム流通量の4.8%に相当すると明らかにした。DecryptはBitmineについて、ナスダック上場銘柄の中で「イーサリアムへの純粋な投資に最も近い事例」と表現した。
政策イベントを控えていることも相場の変動要因となった。ドナルド・トランプ大統領は同日、ホワイトハウスで米証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)の幹部、暗号資産業界の経営陣と市場構造規制を協議する見通しだった。米連邦準備制度理事会(FRB)による7月会合議事要旨の公表も同日に予定されていた。
これらはいずれも、引け前の関連銘柄のボラティリティーを一段と高める材料として意識された。
もっとも、当日の急伸後もStrategy、Coinbase、Bitmineは年初来でなお大幅なマイナス圏にとどまる。市場では、今回の反発をトレンド転換とみるか、下落基調の中での一時的なショートカバーにすぎないとみるかで見方が分かれている。次の取引日も売買高が維持されるかに加え、ビットコインがチャート上の抵抗線とされる7万284ドルを上回って推移できるかが、今後を見極める材料になりそうだ。