生成AIの活用が検索や業務支援にとどまらず、日常の判断にも広がっている。GoogleのGeminiは、作成から8日が過ぎたチキンサラダを食べてもよいかという質問に対し、一般的な食品安全ガイドラインに基づいて廃棄を勧めた。
TechRadarが10日(現地時間)に報じたところによると、ある利用者はGemini Liveで開封済みのチキンサラダ容器を映し、8月1日に作った食品がまだ食べられるかを尋ねた。
Geminiは回答に先立ち、提示する内容は専門的な医療助言、診断、治療の代替ではないと案内した。そのうえで、健康に関する疑問は医師など資格を持つ医療従事者に相談するよう促した。
その後、Geminiは一般的な食品安全ガイドラインを踏まえ、チキンサラダは廃棄すべきだと回答した。冷蔵保存の目安は通常3~4日で、8月1日に作ったものを8月10日に食べるのは安全ではない可能性があると説明している。
利用者はこの助言に従ってチキンサラダを捨て、昼食をピーナッツバターとゼリーのサンドイッチに切り替えた。Geminiはこの選択についても、当初食べようとしていたチキンサラダより安全だとの見方を示した。
今回の事例は、生成AIが意思決定の参考先として使われる場面が広がっていることを示している。利用者は普段から服の色の組み合わせにもGeminiを活用しており、今回はにおいや見た目だけでは判断しにくい食品の安全性まで質問の対象を広げた。
あわせて、健康や安全に関する問いに対し、AIが比較的慎重な答えを返す傾向もうかがえる。Geminiは食品の汚染を直接確認したわけではなく、保存期間と一般的な食品安全基準からリスクを評価した。写真だけでは細菌の増殖や実際の変質を確認できないため、摂取を勧めるのではなく廃棄を促したとみられる。
健康情報を得る目的でAIを使う利用者も増えている。ギャラップの調査では、米国人の25%超が健康情報や助言を得るためにAIを使った経験があるという。このうち半数超は、医療機関を受診する前に健康関連の助言や分析をまずAIに求めたとしている。
一方で、生成AIの回答はあくまで参考情報にとどまる。AIは利用者の実際の健康状態を診断したり、食品の汚染の有無を検査したりすることはできないためだ。Geminiも今回、一般的な安全基準を示す一方で、医療専門家の判断を代替するものではない点を強調した。
生成AIの活用領域が検索や生産性向上を超えて生活判断に広がるなか、健康や安全に関する質問では、利便性とあわせて回答の限界も認識する必要がある。