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2015年のEthereum ICOに参加したとみられる長期保有アドレスが、約7年ぶりに動いた。約4万ETHを保有するクジラアドレスだが、今回移されたのはEthereumではなくMKRだった。現時点で取引所への送金や売却の痕跡は確認されておらず、直ちに売りのシグナルと受け止めるのは早計との見方が出ている。

ブロックチェーンメディアのU.Todayが9日(現地時間)に報じたところによると、このアドレスはEthereumの初期段階で約4万ETHを取得したとされる。ここ数年は目立った動きがなかったが、保有資産の一部を新たなアドレスへ移した。

同アドレスは、2015年のEthereum ICOに参加した初期投資家のアドレスとみられている。今回の移転対象はEthereumではなく、MakerのガバナンストークンであるMKRだった。

オンチェーンデータによると、この投資家は2018年9月から2019年5月にかけて、平均約828.92ドル(約12万4340円)でMKRを7020.84枚取得した。取得総額は約581万ドル(約8億7150万円)と推定される。

このうち半分に当たる3510.42MKRが最近、新アドレスへ移された。移転時点の評価額は約441万ドル(約6億6150万円)で、取得額との差額は約151万ドル(約2億2650万円)の評価益となる。

もっとも、この動きだけで利益確定に踏み切ったと断定するのは難しい。移されたMKRについて、取引所への入金や実際の売却を示すオンチェーン上の痕跡は確認されていないためだ。ウォレット間の移動にとどまる場合、保管方法の見直しやウォレット構成の再編、資産管理上の措置である可能性もある。今後の取引に備えた準備との見方も残る。

それでも、長期間休眠していたアドレスが再び動き出したこと自体は、市場の関心を集めやすい。とりわけ、移転された3510.42MKRが今後どこへ向かうかで、市場の受け止め方は変わりそうだ。取引所へ送られれば、実際の売り圧力への警戒が強まる可能性がある。

Ethereumの値動きも、こうしたクジラの動向とあわせて注目されている。Ethereumは6月と7月に付けた約1550ドル(約23万2500円)の安値から反発し、足元では1913ドル(約28万6950円)近辺で推移している。日足では、約1874ドル(約28万1100円)と1802ドル(約27万0300円)にある短期移動平均線を上回っている。

一方で、約1923ドル(約28万8450円)近辺の主要レジスタンスに接近しており、上昇が続くかどうかを試す局面でもある。テクニカル面では改善がみられ、日足の相対力指数(RSI)は約56と中立水準の50を上回るが、過熱圏には達していない。

市場では、短期的に1920~2000ドル(約28万8000~30万円)を重要なレンジとみている。2000ドルを明確に上抜ければ上昇基調が強まり、長期移動平均線が位置する約2145ドル(約32万1750円)まで上値余地が意識される可能性がある。

逆に、1920ドル台の抵抗帯を突破できずに下げた場合は、約1875ドル(約28万1250円)と1800ドル(約27万円)が主なサポートとして意識される。現時点では、今回の動きを大規模売却の前触れというより、長期休眠アドレスに生じたオンチェーン上の警戒サインとみるのが妥当だ。

市場の焦点は、移転された3510.42MKRの次の行き先に移る。新アドレスにとどまれば単なるウォレット再編にとどまる可能性がある一方、取引所へ送られれば、長く眠っていたクジラ資産が実際の利益確定につながるのではないかとの警戒が強まりそうだ。

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