画像=Google DeepMindの気象AIモデル「WeatherNext 2」

Google DeepMindは、気象AIモデル「WeatherNext 2」と「WeatherNext Cyclones」のコードとモデルの重みを公開した。熱帯低気圧予測に特化したWeatherNext Cyclonesは、進路、強度、風域の予測で、主要な気象モデルと同等の精度を維持しつつ、平均24時間以上早い予測が可能だとしている。

学術誌『Nature』に掲載された研究によると、「WeatherNext」は3日前に出した予測が、従来モデルの2日前予測と同程度の精度だった。

熱帯低気圧の予測は難易度が高い。進路は大規模な大気循環の影響を強く受けるため、全球気象モデルが比較的扱いやすい。一方、強度は中心付近の細かな熱力学変化や対流活動に左右されるため、従来は高解像度の地域モデルが主に使われてきた。

WeatherNext Cyclonesは、こうした2つの課題を単一のAIモデルで一体的に扱うよう設計した。熱帯低気圧の進路、強度、風域の変化を一括して予測し、最長15日先までの予測に対応する。研究チームは、全球大気データと約5000件の過去の熱帯低気圧データを学習に用い、広域の気象変化と熱帯低気圧の発達特性を同時に学習させたとしている。

同モデルは、約28キロメートル格子の入力データでも強度予測で成果を示した。従来手法では、中心付近の細かな変化を捉えるために、より高解像度のデータが必要とされてきた。Googleは、比較的粗いデータから十分な情報を取り出せる理由について、なお十分に解明できておらず、今後の研究課題としている。

WeatherNextは単一の予測結果を返すのではなく、複数の気象シナリオをまとめて生成し、それぞれの発生確率も推定する。Googleは2025年のハリケーンシーズンに50件の予測を作成し、その後1000件まで増やした。これにより、発生頻度は低いが影響の大きい事象も評価しやすくなる。代表例として、短時間で急速に勢力を強めるケースを挙げた。

WeatherNextは2025年のハリケーンシーズン中、米国立ハリケーンセンターの予報の参考情報として提供された。今回の公開により、気象機関や研究者はモデルを直接検証したり、派生モデルを開発したりできるようになる。

一般ユーザーは、Google Weather LabでWeatherNextが生成した気温、降水量、風速、熱帯低気圧の予測を確認できる。

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